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2007.10.15 19:40 |   |  なな  | 推薦数 : 14

死産(2) 医療者にもたらしたもの

あかりさんの死産は、医療現場にいくつかのものをもたらし、

いくつかのものを浮き彫りにしました。

 

来院から17分後に児娩出、という帝王切開は

恐らく全国レベルで最速記録を争える速さです。

休日なのに、偶然他の手術が終わった直後でope室の人手があったこともありますが、

何よりも、病棟スタッフたちの迅速で的確な判断が、この速さを可能にしました。

来院したあかりさんを診察した瞬間に、ope室と小児科に連絡をしたのですが、

私が振り返った時には、あかりさんは点滴、導尿、剃毛が済んだ状態で

ストレッチャーに横になって、すぐにope室に向える状態になっていました。

あの判断力と手際は賞賛に値しますので、

病院の看護部長室に、その旨説明に行ったところ、

看護部長から、賞賛の通達が来たそうです。

病棟全体の士気を上げるのに、大きくプラスに働きました。

 

この日は、他に産科当直医がいたのですが、

分娩直後の難しい処置中で、手術に入るのは厳しい状況でした。

手術室に居合わせた外科の先生に入って頂く方が早いと判断し、

外科の先生と2人で帝王切開をしました。

私の勤務する病院は、都市部にあります。

都市部の産婦人科でさえ、外科の先生と帝王切開をすることがある、という一例になりました。

 

非常に恐ろしい帝王切開でした。

一秒でも遅れたら、次の鼓動で赤ちゃんの心臓が止まるかも知れない、という極度の緊張は

一度味わった者でないと、理解できないかも知れません。

そのような帝王切開に立ち会った麻酔科医、ope室ナース2名、小児科医、私に対する報酬は

ゼロ円です。

 

opeが終わり、病棟に戻っていくあかりさんを見送った後、

ope室の床にへたり込みました。

術衣のまま、帽子とマスクのまま、床の上で、動けなくなりました。

この日、たまたま当番だったope室の師長が、

床にへたり込んだ私の頭をそっとなでてくれたのを

今でも覚えています。

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