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お産の後の入院中に、涙を流した経験のある女性は、大勢いらっしゃるでしょう。
大抵の場合、これと言った理由なく、ただ涙が流れてきます。
ご主人が病室に来た時に、腕に抱えた花束を見て、涙。
食事が運ばれてきて涙、看護師が検温に来て涙。
同じ病室の人が退院していくのを見て、涙。
自分の赤ちゃんを見て、何故か涙。
これは、産後のブルー(いわゆるマタニティ・ブルース)では、ほぼ必ず見られるものです。
悲しみの涙というよりは感情の涙であり、
病的なものではなく、生理的なものと考えられます。
例えば、一日中歩き回った後に見られる疲労と、同じものです。
落涙以外の症状としては、疲れやすさ、集中力の低下、いらいら感、
「沐浴や調乳の手順が覚えられない」など物覚えの悪さがあります。
このような症状は、お産をされた女性の約80%に見られると言われています。
また、生理的なものであれば、時期が来れば和らいでいきます。
これに対し、「産褥抑うつ症」は、ブルーとは違い、
症状が概ね産後2週間以上持続し、かつ医学的援助を必要とするものを言います。
お産にまつわる、明るくおめでたいイメージと、
いらいらや憂うつ、激しく変調する感情、赤ちゃんの世話ができない、
お料理をすることもできなければ、服を着るのさえ億劫という症状との、ギャップ。
「怠けている、わがまま、感謝の念が足りない」などと、人格の問題で片付けられてしまう風潮。
専門家の間でも、長年問題視されてこなかった歴史。
そんな中で、見過ごされがちな産後の心身の問題ですが、
ひと度かかってしまうと、その女性を地獄の苦しみに陥れるばかりか、
産褥精神病(幻覚、妄想、錯乱などを伴い、入院を要する重篤な状態)や、
最悪の場合、幼児殺しにつながることもありますので、注意が必要です。
では、自分自身、自分の妻、姉妹や娘、友人を見て
「もしかして、マタニティー・ブルース?」と思った時、どうしたらいいでしょうか。