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週1回、心と身体両方のケアに重点をおいた、”カウンセリング外来”を開いています。
女性特有の心身の悩み、
例えば月経関連障害、マタニティー・ブルース、更年期障害などの患者さんが主体で、
一人1時間くらいかけて、じっくりとお話をしています。
B子さんは、不妊治療からくる心の悩みを抱えて、カウンセリング外来にいらっしゃいました。
ご結婚されて約10年、これまでは仕事に夢中で、第一線でご活躍されていましたが、
ご主人の希望があり、妊娠を考えるようになったそうです。
段階を踏んで、不妊クリニックに通院するようになり、
体外授精を試みたのですが、
そこに至るまでに、筆舌に尽くしがたい心理的葛藤がありました。
何ごとにつけ、努力によって様々なものを手に入れて来たB子さんが、初めて直面した
「思うように妊娠しない」という事実。
「子供はまだ?」に代表される、周囲の無神経な言葉。
不妊治療中であることを、周囲に言えないつらさ。
治療の効果に高まる期待と、月経が来てしまった時の激しい落胆の繰り返し。
そして、B子さんの場合は、何よりも検査や治療によるストレスに苦しんでいました。
独特の雰囲気の待合室で長時間待つ間のいたたまれなさや、
診察に伴う痛みや羞恥心、
「でも、行かなくては」というご主人への思いからくる、葛藤。
しかし、そんな苦しい状態が長続きするはずがなく、
徐々にクリニックに行くこと自体が苦痛になってきました。
受診日が近づくと、イライラや不眠、怒りやすさが出現し、
クリニックの最寄の駅に来るだけで、過換気を起こすようになり、
日常生活にも、支障をきたすようになってしまいました。
そんな苦痛を圧して、やっとの思いで採卵をし、
グレードの高い受精卵(つまり妊娠しやすいもの)を得ることができたのですが、
いざ子宮に戻そうという日に、「どうしても無理!」と、行けなかったのだそうです。
受精卵は凍結保存してありますので、ひとまずの猶予はあります。
こんな時にはご主人のサポートが不可欠なのですが、
ご主人は、B子さんを責めてしまいました。
そして、あろうことか
子供をつくろうとしないのであれば、離婚する、と言い放ったのだそうです。
B子さんが、涙ながらに以上の経過をお話になって、ひとしきりしたところで
「子宮に戻すのを、よく思い留まりましたね」と言うと
B子さんは子供のように泣きじゃくっていました。
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不妊治療にまつわる心身の悩みを抱えて、カウンセリング外来にいらっしゃる方が、増えています。
患者さんによって、悩みの原因は様々ですが
ひとつの大きな原因は「他人からの言葉」のようです。
・ 子供はまだ?
・ ○○さんは○人目ですって
・ 孫の顔が見たい
・ ご主人はほしがらないの
・ 子供がいないと自由でいいわね
・ 仲が良すぎてもできないわよ
・ 大丈夫、すぐできるわよ
・ 治療しているの?
・ 子供はいいわよ
・ お参りに行ったら?、○○を食べたら?
不妊に悩む女性たちを傷つける言葉の、一例です。
また、日本では「女性は産み、育てる性である」という古典的価値観があり、
デリケートな女性たちが、子供がいないことによって
自責の念に苛まされやすい精神的土壌があります。
そして、不妊治療そのものによる、身体的、精神的、経済的、社会的負担と、
先が見えない閉塞感。
諸外国では、1980年代から不妊カウンセリングが法制化されていますが、
日本ではかなり立ち遅れています。
近年、学会組織の先導の下で、不妊カウンセラーが誕生しつつありまずが、
ニーズに対して、全く不足しているのが現状です。
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B子さんには今後、妊娠のことも含めて、丁寧なケアが必要です。
日本中のあちこにち、B子さんと同じような悩みを抱え、
他人に言えずに苦しんでいる女性が、いらっしゃるのではないでしょうか。