なな
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2007/07 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 番外編
    • みんみん (11.21 16:56)
    • Doctor Takechan (11.20 23:45)
    • なな (11.19 20:13)
    • なな (11.19 20:02)
    • ききょう (11.18 06:23)
    • 患者 (11.15 23:17)
    • なな (11.14 08:16)
    • なな (11.14 08:12)
    • ナナ (11.11 16:20)
    • ナナ (11.11 16:18)

新着トラックバック

2007.07.01 19:03 |  診療  |  その他(一般)  |  なな  | 推薦数 : 8

「子宮を取って下さい」

20代の未婚の患者さん、A子さんが、しばらくぶりに外来にいらっしゃいました。

A子さんは、性的暴力の被害に遭いました。

その後、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩み、

心療内科の先生にご紹介した患者さんでした。

 

時間もたったし、少しは本来のご自分を取り戻したかな、

と思いながら、診察室のお呼びしました。

どこか作った明るさを感じる笑顔のA子さんは、開口一番

「先生、子宮を取ってもらえませんか」。

A子さん曰く、心療内科での治療によって、PTSDは克服したものの、

自分の身体に子宮があることが、どうしても受け入れられないと言うのです。

女性ホルモンは子宮ではなく、卵巣が出していますので、

女性性を表現しているのは、生理的には卵巣なのですが、

そのことは充分ご承知で、

「卵巣はそのままでいいんです。子宮だけ取って下さい」の一点張りです。

 

性暴力の被害に遭われた時のA子さんは、正視し難い状態でした。、

しばらく自失されていましたが、ひと度悲嘆が始まると、

途方もない恐怖と苦しみに、身の置き所を失っていました。

助けて下さい、ではなく、

死なせて下さい、とおっしゃっていた悲痛な声は

今でも忘れることはできません。

 

子宮を受け入れられない患者さんは、子宮を取っても治りません。

このような患者さんは、一般的に婦人科では対応できておらず、

暴力に関して充分な知識のある女性治療者が、丁寧に向き合わないとなりません。

到底私の手には負えませんので、しかるべき先生にご紹介しました。

 

若い、愛らしい女性が、女性としての人生に絶望し、

自ら子宮を取ってほしいと望むようになってしまう。

これが、性暴力被害の実態です。

 

 

(追記)

本記事は、春野ことり先生のブログ「天国へのビザ」で、

山口県光市母子殺人事件に関する記事 「そんな司法はいらない」

http://blog.m3.com/Visa/20070630/1

にTBするために掲載したものです。

固定リンク | コメント (18) | トラックバック (3)