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2007.06.09 17:34 |  診療  |  生活 / くらし  |  なな  | 推薦数 : 16

理想を追える日々

今日は当直、という日の夕方、「お産の時、来て下さいますか?」

とおっしゃっていた妊婦さんが、陣痛が始まって入院してきました。

丁度よかった、私が病院にいる夜にお産になってくれそう、と思っていたら、

妊婦健診で診ていた、大学産婦人科医局の後輩ドクター・海野先生(仮名)の奥様が、

破水入院されてきました。

あえて私のところを選んでくれた、後輩の奥様ですから

当然お産も立ち会う気でいましたので、これも丁度いいタイミングです。

 

海野先生の奥様は、お母様に付き添われていらっしゃいました。

そのうち、海野先生もやってきました。

しかしLDR(お産が始まった産婦さんが過ごす部屋)は、ご家族一人分のスペースしかありません。

自分を慕ってくれる後輩には甘い私、

「海野くん、私の代わりに当直しない?」とそそのかしました。

そうすれば、海野くんはLDRの隣にある当直室が使えるし、

大学院生で無給の海野くん、赤ちゃんが生まれたら何かともの要りのはず。

同じ病院で一泊するなら、当直料が入ったほうがいいでしょう。

私の意図を感じ取って喜んでくれる海野くんの笑顔に、こちらもほくそ笑みます。

 

しばらくお産になりそうにないので、医局にある自分の机に戻って、

たまっていたデスクワークを片付けます。

たまに2つのLDRをのぞきに行きながら、仕事が一段落したのが深夜2時過ぎ。

ちょっと眠ろうかな、と思ったところで、はっと気づきました。

「あ、私の寝る場所、ないんだ・・・」

医局のソファはあいていないかと見に行くと、

内分泌内科の先生と思われる白い塊が、転がっていました(笑)。

よいとしして医局で寝よう、なんていうドクターが他にもいたことに、ちょっと、ほっ。

 

仕方なく机に戻って、うつ伏せになること小一時間。

「お産の時、来て下さいますか?」の産婦さんが、無事お産になりました。

さらにほどなくして、海野先生の奥様も、ご出産。

海野先生が取り上げました。

見たこともないような、海野先生の、愛おし気な表情。

クーパーの持ち方から教えた後輩の奥様のお産は、また格別の嬉しさがあります。

 

気がつけば、夜が白々と明けていました。

私の病院は時間外手当てが出ないので、これ、ゼロ円です。

最近、産婦人科医は減っていますので、仕事は増える一方、

この数時間後に始まる外来は、激混みです。

 

いつまでこんな風に、理想を追っていられるだろう・・・

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