なな
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2006/08 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 番外編
    • みんみん (11.21 16:56)
    • Doctor Takechan (11.20 23:45)
    • なな (11.19 20:13)
    • なな (11.19 20:02)
    • ききょう (11.18 06:23)
    • 患者 (11.15 23:17)
    • なな (11.14 08:16)
    • なな (11.14 08:12)
    • ナナ (11.11 16:20)
    • ナナ (11.11 16:18)

新着トラックバック

2006.08.22 04:26 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  なな  | 推薦数 : 9

産婦人科撤退の経験

医局が、勤務先の病院を撤退する旨を知ったのは、撤退の10ヶ月前でした。

本当は1年前の時点で決まっていて、その病院の部長先生はご存知だったのですが、すぐには知らされませんでした。

「撤退と聞いた時、僕もがっくり来ました。先生に言うと、先生もやる気をなくしてしまうのでは、と思って、すぐには言えませんでした」

とおっしゃっていました。

部長先生は、赴任されるまでほとんどされてなかった手術を多数こなし、

一躍その地方の中核病院に仕立て上げた先生です。

 

私も、長期間勤務する予定で赴任したはずでした。

大学医局を出る時、敬愛する講師のK先生に

「部長を支えて、しっかりやって来るんだよ」と励まされ、

希望と使命感を持って、喜んで赴任しました。

それまでやっていなかった術式を導入し、

器具の選定から、業者の比較選択までしました。

一人一人の患者さんに時間をかけて診察することを主眼にした、新しい外来を開設して、

多くの患者さんを診て来ました。

それらを、全部あきらめなくてはならなくなりました。

 

産婦人科医が10人弱勤務する病院でしたが、

まずは人数を2人に減らされました。

でも、仕事量はそのままでしたので、

人員削減後は、地獄でした。

 

一番辛かったのは、途中まで診た妊婦さんたちに

転院してもらうしかなかったことです。

健診の日、一人一人の妊婦さんに事情を説明することを、

ひと月半くらい続けました。

「えっ・・・?!」と絶句して、 呆然と出て行かれる人。

どうしてもここでお産したい、と涙を流す人。

先生もご無念でしょう、どうかお身体を大切に、と目を真っ赤にしながら励ましてくれる人。

後で家族を連れて、抗議に来る人。

無責任です、と罵られたこともありました。

 

こちら側も、やりきれない思いでした。 

励ましながら不妊治療をした末、妊娠された方もいました。

心の不調を抱えたまま妊娠をし、泣きながらかけてくる夜中の電話を繰り返しながら、なんとかお産近くまでやってきた妊婦さんもいました。

度重なる病気の発作に苦しみ、一時は妊娠を中断しようかと思った妊婦さんもいました。

 どの妊婦さんも全員、よその病院に任せざるを得ませんでした。

「断腸の思い」という言葉がありますが、まさにそんな心境です。

医者があれだけ辛いのだから、患者さんの方は、どれだけ辛かったことでしょう。

 

あんな思いは、二度としたくありません。

固定リンク | コメント (8) | トラックバック (1)