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< 忘れられない患者さん(1) | メイン | 産婦人科撤退の経験 >
2006.08.19 05:15 |  診療  |  仕事 / 職場  |  なな  | 推薦数 : 36

「お産の時、来て下さいますか?」

産婦人科医にとっては、殺し文句です。

 

健診のたびに顔を合わせて、おなじみになった妊婦さんに、

つぶらな瞳に、ちょっと不安の色を浮かべてこれを言われると、

ついうなづいてしまいます(笑)。

そうすると妊婦さんは、ほっとした表情になって

「よかった~!」と、喜んで下さいます。

 

カルテに、目立つように「入院時連絡下さい」と書いておくと、

その妊婦さんが陣痛や破水で入院すると、

助産師さんたちも心得ていて、休日でも夜中でも、連絡をくれます。

 

「お産は、担当医が立ち会う」。

理想的です。

出産は、一人の女性が生涯に1回か2回しか経験しない、わが子の誕生の瞬間です。

初めて顔を見る当直医に立ち会われるよりは、顔見知りの医師がいた方が、

いい記憶になるし、何より安心でしょう。

 

でも。

お産は、いつ始まるかわかりません。

妊娠37週から41週くらいまでの5週間、いつ病院に呼ばれてもいい状態で、日常生活を送っていないとなりません。

病院から1時間以上かかるところには行けないし、

携帯電話の電波が届かないといけないので、地下には行けないし、

お酒も飲めません。

誰かと食事をしていても「ひょっとしたら、病院に呼ばれるかも。呼ばれたらごめんね」と言いながら食事をし、

実際呼ばれて、相手を置いて行ってしまう、なんてことを繰り返していると、

誰も一緒に食事をしてくれなくなります(泣)。

つまり、1人の妊婦さんと、お産に立ち会う約束をするだけで5週間拘束されることになります。

これを、10人の妊婦さんと約束すると、どういうことになるか・・・

さらに、地方病院あたりで、年間数百件のお産を一人で抱えていらっしゃる一人医長の先生の生活は、一体・・・

 

それでも、お産の後

「先生が来て下さってよかった」となどと言われると、

懲りずに、次の妊婦さんのお産にも、駆けつけてしまう。

 

いつまでこういうの、続けられるかな・・・

 

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クローズアップ2006:横浜・違法内診摘発 助産師の力、生かされず 「出産数日本一」をうたう産婦人科病院「堀病院」(横浜市瀬谷区)で、看護師らが助産行為を行ったとして警察に摘発された。子宮口の状態など... [続きを読む]
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町の産婦人科の診察室から
今日は朝からとても混んでいました。外来は予約時間を設けなるべくゆっくり、、がモットーなのですが、、、、きょうは皆さんごめんなさい!になってしまいました。大学病院の勤務医として約20年いつももっとゆっく... [続きを読む]
posted from かおかおははの独り言 2006.09.20 17:05

コメント

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産婦人科も大変ですが、外科も癌の末期に入院した患者さんにはメスをいれた以上最期まで診てあげなければなりません。真夜中でも看取り、霊安室で線香をあげ、帰りを見送ります。2時間はかかります。土日もありません。酒を飲んでるときもあります。酒が入っているときの緊急手術が困るので、代わりの医師をみつけるか、他の病院に送ります。酒が飲めない分、産婦人科の方がきついでしょう。患者や家族が幸せであれば救われる気がします。患者や家族とのムンテラの約束もなかなか忙しくて守れません。あらかじめ、約束の守れない医師であることを機会あるごとにアピールしておきます。忙しくても、まあ何とかなるでしょう。
written by 覆水盆に返らず / 2006.08.21 18:52
覆水盆に返らず先生、書き込みありがとうございます。
外科も大変ですよね・・・
どの領域でも、カルチをやると、大変さが数倍になると思います。
最後の一文に、先生の大変さとお覚悟がにじみ出ているようで、切なくなります。
どうかお身体を大切になさって下さい。
written by なな / 2006.08.22 00:23
なな先生、ご迷惑を省みずTBを貼らせて頂きました。
先生の職務とご自身のHappy lifeが両立できますように♪
written by 来夢 / 2006.08.23 17:31
来夢さん、素敵なブログですね。
「本日の思いやり」、爆笑しました。
written by なな / 2006.08.25 21:11
なな先生、ブログの礼儀などわからずTBさせていただいてしまいました。なな先生!きっとすばらしい女性医師なのでしょうね。これからもブログ読ませていただきます。大学病院は大変ですが今やれること思う存分してくださいね!!
written by かおかおはは / 2006.09.20 17:10
かおかおはは先生、TBありがとうございます。
多くの方に見てもらって吉のブログですので、
TBして下さるのは光栄です。
先生、ブログも拝見しました。
ああ、同じような医師がここにもいる、と思うと
胸が熱くなりました。
written by なな / 2006.09.23 01:44

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