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リハビリテーション病院で、終末期医療を行うことはない。
しかし、リハビリするにはいたらず、かといって急性期の病院で治療する適応がない場合、または、家族が治療を希望しない場合にはどうするのか?
本来ならば、そのようなケースは、リハ病院では入院の段階で断るのであるが、どういうわけかその網をくぐってこられたケースである。脳梗塞という診断であったが、実は、重症の心不全が隠れていた。患者さんは右片麻痺で、全失語の状態。
重症心不全については、前医にてどうも見落としていたらしい。
リハビリスタッフや看護士からここにとどまることの批判はあった。
紹介元の病院に送りかえすべきだ、
元気でリハビリをやっている患者さんたちのことも考えて欲しい、とか
夜勤帯はスタッフが極端に少ないので、一人重症な患者さんがいると他の患者さんたちへの対応ができなくなる
などという、もっともな意見ばかりである。
でも、家族は、急性期の病院にいた頃よりも、患者さん本人の顔が穏やかに変化したので、それだけでありがたいという。
できれば、元の病院には「本人のことを考えて、もどしたくない」という。
「十分な対応ができないので、かえって患者さんを苦しめる形になるかもしれません。それでもよければ・・・でも、ここでやれることはやってみましょう。」と返事をした。
リハビリ病棟で患者さんを看取ることはまずない。
病棟スタッフも決して慣れてはいない。
対応に問題が生ずるかもしれない。
そんなことを考えている間もなく、ある日の未明、突然の心停止。
主治医不在の当直帯である。
当直の先生は非常に馴れた対応をしてくださり、駆けつけた家族に最期の様子を語ってくれた。
「苦しんだ様子もなく、眠るように逝かれました」と
その言葉に家族一同皆、涙を流し、感謝してくれたという。
急性期病棟ではよくあるケースかもしれない。
しかし、リハ病棟だとちょっと趣は違った。
就任2年目にして、はじめて死亡診断書を書いた。
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