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家庭の大切さ 1

kocchan / 2009.10.02 12:02 / 推薦数 : 1

当院に入院していた頭部外傷(びまん性脳損傷と脳挫傷)で高次脳機能障害および精神障害のあった患者さんが1年ぶりに外来に戻ってきた。

70歳の男性で、脚立に登って植木の手入れをしている最中に転落。

救急車で運ばれたときは、次第に意識レベルが低下してゆき、JCS100のレベル。

右側頭葉の脳挫傷と右肋骨骨折などあり。しかも、持病として、大動脈弁狭窄症まであった。

保存的加療で、意識は一桁までもどった。

幸いにも四肢の麻痺はなかったが、胸水の貯留やら肺炎の合併などあり、嚥下障害などもあったがおちついたので当院に受傷1ヶ月後リハビリ目的入院。 

 高次脳機能障害および精神障害があり、家人がいなくなると病棟中に大声をあげてさけぶ(気管切開していたが)、看護師や療法士には暴言をはく、ときには暴力にいたることもあって院内ではたいへんだった。

妻がついていると比較的おちついているので、泊りがけでついてもらうようにした。

それから少しづつではあるが、落ち着くようにはなった。奥さんは、たいへんだったとは思うが、非常に献身的な方であった。

嚥下障害といっても痰を出したりするのはうまくできていたが、食事を与えると食物であると認識できないようで吐き出してしまう。

そこで経菅栄養を選択せざるをえない状況だった。

胃瘻を急性期の病院に依頼したが、「こんな精神状態ではリスキーである」とされて断られてしまった。

したがって経鼻胃菅を留置することになり、たびたび自分で抜いてしまうために看護師は苦労していた。

面談では記憶障害や精神障害はあまりよくならないだろうという話をした。食事も、口からは今は難しいと話をした。

帰宅または精神科施設の入所を家族と考えたが、妻は、帰宅を頑として主張。

長男家族はたいへんだからやめたほうがよいと主張。

いざこざはあったが、試験外泊を繰り返し自宅に帰るとかなり落ち着くというので、自宅退院とした。

 通院は難しいので、自宅近くの開業医さんに往診を依頼。

訪問看護などの各種サービスをいれることにして、受傷6ヶ月くらいで退院。

今回、開業医の先生から、久しぶりに検査して欲しいという依頼で来院した。

話をするとほとんど普通の方にもどり、みられていた精神症状は消失していた。

食事は、経口的にOK

視野障害はあるが歩行可能。

記憶障害も日常生活には困らない程度になったようである。

予想に反して良くなっていたので私としても驚きであった。

妻の献身的な介護がすばらしかったのだと思うが、他にも同居する息子夫婦と小さな孫も同居しており、自分の親の介護に協力的である。

このような恵まれた家庭環境が功を奏したのだと思う。

高齢化社会に必要なのは、家族の力である。

家族の力がなければ、介護難民となる高齢者は増える。

医療費もかかってくる。

政府は、日本の伝統的な家族制度を見直して欲しいと思う。

そのためにはどうのようなことが必要なのか?

果たして核家族化が理想なのか、夫婦別姓でもいいのか?家族の絆を強固にするためにはどうしていたらよいのか?

家族の絆を崩壊させるような民法改正は是非やめて欲しいものである。

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コメント一覧

いいお話ですね。
わたしも同じような状態の患者さんに何回かであっているので状況が良くわかります。
最近の医療情勢をみるにつけ、家庭や地域の重要性を再認識することが多いです。
written by ossann55 / 2009.10.04 16:48
親子孫三代同居の家庭は、本当にすくないです。

高齢者夫婦が二人で暮らしている家庭が多いことに驚きます。
家庭の役割を真剣に見直さなければいけないし、そのための少子高齢化対策でなければいけないと思います。
現政権にその点の認識をしっかり持っていただきたいと思うのです。

written by kocchan / 2009.10.04 20:51

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