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< 期末手当の時期です | メイン | 当直での体験 >

ギランバレー症候群

kocchan / 2007.12.17 17:00 / 推薦数 : 0

 

先週、「手足がしびれてきて次第にしびれが広がって力が少しぬける」と訴える40代の女性の初診の方がこられた。

事務のほうで、内科か脳外科か迷ったので、私に相談がきた。神経内科のようだが、内科ではその標榜はされていないので、私がみることになってしまった。

とっさに「ギランバレーか」と思ったが、釈然としないこともいくつか。

既往歴がとくにない。薬も飲んだことがなく健康。会社の健診でもコレステロールくらいでひっかかる項目はないという。

発症は、わたしのところにくる5日前くらいから。

最初は、朝から手指のしびれと足先のしびれ、翌日まで様子をみると今度は手のしびれは肩のほうまで広がってきたという。

近くの脳外科病院で頭部CTをおこない「気のせいだろう?」という結論に・・・。

さらにその2日後(休日)には両足の力が入らなくなってきたので、夜間救急を受診。頭部CTと血液検査をおこなったが特に異常がなかったという。

そして、次にかかったのが私のところということである。

症状は、よくなってはいないが、歩行はふらつきながらも可能である。

両手足の腱反射は、ほとんどみられない。

ここまでくると、あとはMRIで器質性疾患を否定できればギランバレー症候群だろうと判断。

そしてMR検査をおこなったが、画像上の異常はみられなかった。

結局、当院で入院してこれ以上の検査をおこなっても、血漿交換まではできないので、症状は軽いものの、神経内科専門医のいらしゃる病院に診察を依頼したほうがよいだろうということになった。

しかし、釈然としないのが先行感染がないこと。

いろいろ聞いても何もなさそうだったが、つきそいご家族がポツリと「そういえばあえてやったことは、2週間前にインフルエンザワクチンの予防注射をやったくらいで・・・」

 

そこでピンときて、インフルエンザワクチン注射の能書きを薬剤部より取り寄せてみると、副作用情報に

「ギランバレー症候群」の記述である。

詳細はあとで調べることにして、とりあえず神経内科の先生にみてもらうことになった。

その結果が返ってきたのは、5日後である。

診断は、「先生のご指摘どおりです」ということであった。

私が、診てからさらに2日後に受診し、症状は改善傾向にあるということで、そのまま様子をみることにしたという返事であった。

インフルエンザワクチンとの因果関係にはコメントがなかった。

私が製薬会社などから得た情報では、昨年(平成18年)で1877万本の推定使用量中、副作用報告件数149件である。ギランバレー症候群を診断されたのは、4件ということである。しかも、この報告は因果関係の有無を問わずに報告されたもの。

外国文献では、100万対1例の割合で発症などという報告もあった。

とにかく稀な副作用である。

 

この症例については、症状が軽症だったこやワクチン注射後の約1-2週間くらいの発症であったこと。

感冒暦がなく、救急病院の血液検査でも(項目不明だが)異常がなかったというから、おそらく、ワクチンが原因だろうと私なりの結論に達したのだが・・・。

いずれにして大事にいたらずよかったと思った1例である。

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