kocchan
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 脳外科医不足 | メイン | お引越し >

意識消失発作で搬送された1例

kocchan / 2007.06.28 13:15 / 推薦数 : 0

先日午後4時頃、「35歳男性、仕事中に突然の意識障害」という触れ込みで、救急隊より脳外科依頼の患者が搬送されてきた。

意識消失は一時的で、救急車内では、意識清明ということであった。

「てんかん」という判断なのであろう。

私もそう判断していた。

ところが、 意識清明であるとはいえ、本人は起き上がれないばかりか、頭部CT撮影中に嘔吐。

しかし、頭部CTでは、特に異常所見はみられない。

頭痛などの訴えはなく、「突然手がこわばったりする」という訴えである。

病歴を聞くと、ここ3日間ほど39度の発熱が続き、今日やっと解熱したので仕事にでたということである。

昨日は食事も十分に食べてはいないという。

そこで、血液検査なども行ってみると、GOT、GPTがやや高く、CPKは800もある。CRPは2.3くらいあり、どうもおかしい。

点滴をして、30分くらい様子をみていたら、本人と話していたら目の前で強直性痙攣発作が出現。

数分で意識はもとに戻った。 

本人曰く、「最初の発作のときには、目の前が突然暗くなった」ということであった。

ジアゼパムを注射して、とりあえず、入院させようということになった。

その後、病棟入室時に同じような発作が再び出現。

さらに心電図モニターをつけた看護士より、脈が40台ですという。いそいで血圧を測ってもらい、心電図モニターをみてびっくり。

3度A-Vブロックである。

よくみるとP波のみの波形も出現あり、じっと見ていると、5秒くらい波形が消失する。

患者を揺り動かすと、そのうち波形が出現。患者の意識ももとにもどって、普通に会話をする。

もどったかと思ったら、また1分後に同じ発作が出現。

体外式ペーシング装置などおいてないので、硫酸アトロピンを注射して対応。しかし、発作はほとんどおさまらない。

そのうち、患者も怖いといいはじめたので、ジアゼパムで再び鎮静させる。

内科の先生を呼び、急いで専門施設に転送することになった。鎮静後も1-2分置きに患者の心電図波形は5-6秒消失 (心停止)して、もとに戻る状態が続いた。

内科の先生が「私が同伴してゆきます」と、転送病院まで・・・。たのもしいかぎりであった。

 転送先では、その場でペースメーカーが埋め込まれたということで事なきをえたようである。

前日まで発熱がみられているので、心筋炎をおこしたのではないかということであった。

 

意識障害やけいれんとなれば脳外科に搬送される機会は多い。

救急隊のほうでも、モニター波形を記録すればよかったのだろうけれでも、最初からてんかんとくくっていたことや、それを信じていた我々にも問題はあった。

最初から外来入室時よりモニターをつけていれば、2時間もの時間的なロスはなかった。 

いろいろと反省し、考えさせられる症例であった。

 

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/mt_fuji/20070628/_1_/trackback

コメント

コメント一覧

救急のお仕事ご苦労様です。
わたしも脳外科をやっているときは、時々、他の科の病気を見つけて「これ、うちと違うやないか」と言って送りつけるのをささやかな楽しみにしていました。
written by ossann55 / 2007.07.06 00:44
いつもありがとうございます。

当然のことながら、幅広く患者さんをみる癖をつけないといけないですね。
written by kocchan / 2007.07.11 08:45

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。