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脳梗塞といったら、おおよそ上肢の症状ではじまるか、または構語障害や失語といった障害からはじまるのがほとんどである。
ところが、最近、下肢の単麻痺ではじまる高齢者の脳梗塞患者が疑い例も含めて先週3名ばかり来院した。
高齢者といっても皆、90代の男女である。
1例目は、きっかけは回転性のめまい。食事中に「地震がおきた」というので、家人はおかしいと思ったがベットにつれていって様子をみた。翌日、朝起きようとしたが立ち上がれない。当院にかかったが、左の不全型の下肢単麻痺である。もともと腰も曲がっているので、脊髄由来だろうと思ったら、DWIで中心前回の内側皮質のみに限局する高信号域である。責任病巣と一致するので、おそらくこれだろうということになったが、脊髄由来も否定できず入院となった。
2例目は、93歳男性。朝起きたら、左下肢に力がはいらなくなったという。それ以外は、何も症状がない。この方も腰が悪いということだったが、レントゲンでは異常なし。MRのDWI画像で、同じように中心前回の内側部の梗塞。前大脳動脈がMRAでほとんど写らなかった。
3例目、89歳。転倒してから下肢の動きが悪くなったという(麻痺がさきだっだ可能性がある)。大腿骨頚部骨折でもあるかと思ったが、整形外科で確認してもとくに異常なし。脊髄由来かと思いMRをおこなったが、脊柱管狭窄が軽度あるのみ。脳梗塞かと思ってMRをとったが、今回の病巣らしきものはわからず。麻痺は、同じく左の下肢の単麻痺である。前に2例とほとんど同じような状態である。
脳梗塞かもしれないということだったが、発症から7日間たっていたので、そのまま保存的となった。
下肢の単麻痺で発症する脳梗塞などほとんどないと思っていたが、3回も覆されてしまったので、今更ながら思い込みで診断してはいけないことを反省した。
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