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脳外科にかかる患者さんは、IGTや糖尿病の方も含めるとほとんどの方が基礎疾患としてもっている。
IGTや糖尿病は、内科の先生の管理領域だから、私は偉そうな口出しはできない。でも、ここでの患者さんは薬を飲んでいてコントロール範囲内にあると、「これでよい」と思っているし、血糖が正常化すると糖尿病が治ったと思っている方もまれにいるのである。
糖尿病の患者さんほど健康オタクになったらよいくらいなのに、なかなか脳外科ではそのような方には出会えない。
また、 インスリンの適応がありながら、「絶対インスリンをうたないで自分で治す」といってやまない患者さんもいた。
その患者さんは、ある日ケトアシドーシスで意識が朦朧となって運ばれたこともあった。私がときたま当直していたときのことである。腹痛があったので、膵炎が合併していたのかもしれない。翌日、内科の先生にバトンタッチして、インスリンの投与を計画したら、怒り出したとか。
「食事と運動でとにかく何とかしたい」ということらしい。
管理のしようがないので、とにかく数日で退院したという。
「それでも、その方のためにできる限りの手助けはしなければいけない」と内科の先生がポツリと私にいう。
すばらしい心がけだと思った。
糖尿病を専門とする先生も、それなりにいろいろな苦労を体験しているに違いなかった。
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医者は事務仕事が多すぎないか?
このことは、以前から思っていたことである。
ろくに十分、患者さんと接する割合が少ない割には、患者さんについての細かな質問をうけることがある。
とくに診断書を作成するときや、介護保険の主治医意見書など、入院患者さんならなんとかなっても、短時間の外来のなかですべてを把握するにはあまりに無理がある。
次に、病棟業務も、回診時間よりも指示出しやオーダー書きのほうが主流になってしまっている。仕方がないといえばそれまでだが、患者さんともっと接する時間や日常をもっと見る時間に費やせたならばまったく違うものになるだろう。
しかし、医療費削減のこのご時世には、あまりにもかけはなれた理想と言わざるをえないかもしれない。
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メラトニンが加齢と共に減少するので、高齢者に用いる睡眠剤として使える可能性がある。
そんなことを、抗加齢医学の雑誌や何かで読んだ。
そこで、私も、海外から輸入して3日間ほどためしてみた。
説明書には、寝る30分前に1mgから服用するよう記述があったのでそのようにして飲むが効果はよくわからず。目覚めがスッキリしたようにも思うが、薬によるものとは言いがたい。入眠障害を私自身もっていないので、どうも説得力にかける。
次に、不眠症ですでにレンドルミンとデパスを欠かせない母に飲んでもらうことにした。母は薬やサプリは大好きなので、比較的スムーズに飲んでくれることになった。
ただ、母の場合、睡眠剤を飲んでいるので、相乗効果で眠りすぎてもこまるので父にも注意してもらうことにした。
結果、内服をはじめて、数日間はよく眠れたようである。ただ、睡眠剤の量を減らしたりすると眠れなくなるという。しかし、1週間もすると、あまり期待したほどの効果はないという評価をもらった。
そこで内服の量を3mgまで増やしたが、同じくよくわからないという。本当に眠れないときは、ハルシオンを半分追加して飲んだほうが良いということだった。
結論;用量については、個人差があるようなので、いろいろためしてみるしかなさそうである。
しかし、母の場合、長く睡眠剤を飲んでいるので薬に対する不安がある。メラトニンに可能性があるならば、量を増やすなりして試したいということだった。
睡眠剤についても従来と違う発想のものがあれば、よいのかもしれない。
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現在、私の母が卵巣がんの再発で入院闘病生活中である。
腫瘍マーカーは、ここ数ヶ月で1桁から10、20と次第に上昇したことや、PET-CTで病巣がみつかったので化学療法をおこなうことになったのである。
腫瘍マーカーの値が徐々に上昇する母の恐怖心は、強く、担当医の様子をみましょうという一言に気が気ではなかったようだった。
週に1回は私のところに電話がはいり、たくさんの不安を語ってくれた。わたしは、少しでも不安を取り除けるようにと、さまざまなサプリを薦めてみた。母はもともと薬や健康食品が大好きなひとである。ちなみに、わたしも薬やサプリが好きなので、その点において母と気持ちは同じである。
しかし、ハーブサプリメントのみで悪性腫瘍が消えてなくなるわけがない。そのことは、母も承知ではあった。
ところが、同じく卵巣がんで闘病中の、母の妹(私にとって叔母)さんから「良いものがある」という話がきた。
それが、「AHCCイムノエース」というキノコの菌糸体を主成分とするもので、いわゆるハーブサプリメントである。母が数年前まで服用していたアガリクスとはちがうようである。アガルクスは、めだった効果はなかったことや、高価なので飲むのはやめたようだった。
私はアガリクスと同じではないかと思ったが、母はためしにサンプルをもらって飲んだという。それから、すこぶる体の調子がよいというのである。3年前に入院した時の化学療法の副作用により、足のしびれがのこっていたが、それが消えたという。また化学療法と併用して使用すると、副作用が比較的軽減できるという話だそうだ。
値段も高価ではあるものの、母は、効果があるので入院しながら、AHCCを併用している。3クール目をすでに終了しているが、調子はよいという。腫瘍マーカーの値も、基準値にもどりホッとしている様子である。しかし、まだまだ、治療は続く、全部で7クールやるということらしい。
癌治療は手術、放射線、化学療法、免疫療法が今の主流的な治療であるが、サプリを使うなどしてプラスアルファの治療があれば治療も充実する。
そのような医療が、あらたな治療法として、保険適応も認められれば、よい癌治療ができるのかもしれない。
信頼のおけるハーブサプリにはなかなか出会えないものだが・・・。
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子供が4人もいながら、まともに子供の病気と向き合ったことがないため、いまだに近所の小児科の先生にお世話になりっぱなしの我が家の子供たちである。
昨日も、2歳の三男が、下痢をおこして脱水症状になり、夕方近くに小児科の先生にお世話になった。
そんなにひどくなっているとは露知らず、入院患者の処置を終えて午後6時過ぎに電話をいれたら、元気がなくぐったりしていると妻の報告。
「それは入院点滴したほうがよいのではないか」と妻に一喝をいれてしまう。さすがの妻これはまずいと、近医の小児科の先生に連絡。「すぐにいらしてください」と夜7時近いにもかかわらず返答をもらい、風雨の激しいなかをぐったりしている三男をつれて病院へいった。
入院かなと思っていたが、2時間後に点滴をうけて帰宅した。小児科の先生にも「もっとはやくつれてきたらよかったですね」とおしかりをうけた様子だった。でも、紙に書いてわかりやすく病状説明してくれたので、妻は感激していた。
帰宅後食事や水も飲まなかった三男も、元気をとりもどし、食事を口にするまでにはなった。
「子供は脱水弱いからね。気をつけないといけないね」と妻に一言。
「小児科の先生にはまたしてもお世話になりました。」
妻の話では、そこの病院では夜間なのに患者さんが多く夜の11時くらいまで、小児科の先生が奮闘していたという。しかも、当直しているわけではないらしい。
・・・。
私の住んでいる町では、夜遅くでも子供をみてくれるのはこの病院くらいしかないから、過酷な勤務をしていらっしゃるにちがいなかった。
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今日、久しぶりに悪性脳腫瘍の患者さんが紹介されてきた。
紹介元の病院では、診断はついていないが、最近、痙攣発作が頻繁におこりはじめたので、私のところに紹介してきたのである。
35才の女性、生活が不規則になり(だらしがなくなり)、言葉もでにくく、記憶もときどきなくなるという。服装も、若い女性のわりにはだらしなく、化粧もしていない。
昨年離婚してしまったので、一人暮らしだという。本人は、そのころから調子がおかしいというが、どうもそれ以前からおかしいので、夫は愛想をつかした可能性はある。
食事は、朝はおきられないのでそのまま抜くことになり、昼ごろおきるが食べない。夕食だけは、なんとかつくって食べるという。仕事はしていないそうなので、どうやって暮らしているのか不明。近くに母親が住んでいるというから、少しは世話になっているのか。
頭部CTでは、左前頭葉に等吸収域の腫瘍がある。
診断は、おそらく、悪性グリオーマであろう。
放射線治療と化学療法のできる近くの大病院に紹介することになった。
脳腫瘍の患者さんを診るたびになんともいたたまれない気持ちになる。高齢者にも発症するが、30代や40代、若くは20代だって悪性グリオーマはありうる。
「どうしてなったのか?」と家族に聞かれるが、未だにはっきるしない。様々な危険因子も、いまはほとんど否定されている。比較的良性という脳腫瘍でも悪性化することがあり、場所によっては取りきれないものもあるので消化器や呼吸器にできる癌よりも性質は悪い。
一般に言われるがん発症の原因として、フリーラジカルの関与が最近言われる。脳腫瘍も果たしてそうなのか?
治療もそうだが、危険因子の解明もいそがれているのではないかと思う。
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SAHの見落としを、大病院がおこしてしまうと新聞にも報道されるようになる。しかし、この問題は、開業医レベルや田舎のレベルでも日常起こっている可能性がある。
もっとも、この問題について統計的に調べた論文はないし、事後検証するのもむずかしい。
最近、妻の実家の近くでおこったSAHの見落とし例。
患者さんは、妻の高校時代の同級生の旦那さん。40代にして突然亡くなったという話を聞きつけ、原因について聞いたらSAHだったという。
亡くなる、2日前に頭痛を訴えて、近くの病院にかかったところ風邪であろうといわれたという。
内服をもらったが、いっこうに治まらない様子。そして、その当日自宅で倒れているところを、妻か誰かが発見したが、発見されたときは冷たくなっていたという。
妻は同級生に同情しながら、「頭の病気はこわいわね」という。
脳外科医の妻でありながら、私が、仕事の話などほとんどしないものだから、妻もよくわかってはいない。
おそらく、2日前にSAHをおこした可能性のあるケースだと思った。もし、そこで処置されていれば助かった可能性はなきにしもあらずである。それを思うとなんともいえないし、あいまいなことには、はっきりとはコメントできない。
妻にはそのことは伝えずである。
「SAHは死んでしまう病気のひとつだよ」と説明しながら、同級生の旦那さんのご冥福を祈った。
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昨年12月と今年の1月の2回にわたった当院での脳ドックも無事終了した。約40名が検査をうけて、検査結果の報告および面接も終了した。
わずかな数であるが、脳動脈瘤がみつかった方が1名。この割合だと、脳動脈瘤の見つかる率が約2.5%ということになる。
おおよそこんなものだろうか?
昨年は、検査結果のプリントを先に郵送したので、4名ほど面接に来なかった。そこで、今年は面接を先に実施して、その後に郵送というかたちにした。
また、面接は一般外来の合間合間におこなうことになり、トラブルがなければと思っていた。しかし、トラブルはおこった。
一般患者診察が終了して、カルテ書きをしていると外来の窓口にいきなり顔を出して、「いつまで待たせる気だ!!!」と大声をだす方がいた。
外来の看護士も思わずびっくり。
すぐさま、書き物を終えて、面接の準備。
60代の白髪の男性。真っ赤に顔を引きつらせて入ってきた。病院嫌いの印象。問診表では、たいそうな大酒家でもある。酒を飲んできたのか?と思うが、相手は患者ではないからと思い、気を落ち着けて面接結果を話す。
結果をみると、以外にほとんどの検査が基準値内である。MRIやMRAでも異常なし。脈波伝播速度は、年齢よりも良好な結果(50代から40代の血管年齢)。IMTも基準値内。
血圧も低い。心電図も正常範囲内。
それだけではなく、WCSTで脳年齢をチェックしたが、40代後半を示していた。
大酒家だから肝臓も悪いかと思ったが、まったくの基準値内である。
面接内容は、最初におわびの一言をいれる。しかし、すこし言い訳をいってみたりしたあと。「何も言うことありません、検査範囲内では問題がないようです」と話す。本人も満足そうである。
「検査結果の報告書はくれるのか、もらえなければ意味がない」とおっしゃるので、郵送する旨を話す。すると、その返答に不服そうであったので、「すぐにお持ち帰りもできます。」と答えてしまう。ここでやめておけばよかったのに、なぜ面接がさきになり、結果の報告書があとになったのか理由を言い訳がましく説明してしまった。
すると「検査を受けながら結果を聞きにこないような変な人間がこの近辺にはそんなに多いのか!」とそんな言い訳するなとばかりにお怒りになって出て行った。
検査結果は、あとをおった看護士により無事わたすことはできたようだ。検査を受けた日は、すなおで普通の人だったという。
互いに不愉快な思いをしたが、私が血気怒気に走って言い訳を言ってしまったのが失敗であった。
学問的な論争の場でもある学会発表では、学問的な反論を受けることはよくある。だいたいの医者は、それなりに調べてきたのであるから反論されたら、その反論を述べる。それが常しプライドもあるから否定されると必ず言い訳をする先生も多い。「おっしゃるとおりです」といいながら、別のことをいう先生もいる。そうやすやすと相手のことを認めない。そのような習慣をもっていれば、相手に頭を下げることなどなかなかできないものである。
こちらに間違いがあった場合ですら、そうなってしまう。
今回の私の対応はそれに似たものとなってしまった。
こちらに非があればすなおに認めて頭を下げる謙虚さが大切である。そのようなときは、相手の過ちを見つけて非難しようという姿勢はみせてはいけないと感じた。
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1月17日にアップした、80歳女性の脳出血の患者さんも、脳死状態で約2週間生き続けた。この2週間、同年齢の患者さんの旦那さんも毎日、病院をおとずれていた。ベットのかたわらで無言の妻を見つめながら、眼をうるませている姿には私も目頭があつくなってしまった。
私の実家でも、母が入院療養中のため父が、一人暮らしである。同じ敷地内には、弟夫婦が住んで面倒を見てくれているが、電話をいれたときの父の声は、淋しげであり、「おまえたちにすべてをまかす」などと何かと弱音もはくようになってしまった。
夫を亡くして、その妻が力をおとしうつ病になるのは聞く。しかし、そこから立ち直って、長生きする女性は多いのではないかと思う。
それに対して、妻を早くに亡くしてしまい、そこから立ち直って一人暮らしで長生きする男性は少ない気がしてならない。
もともと、男性の寿命は身体的に短いこともあるが、精神的な面においてもしぶとく長くは生きられないのかもしれない。
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若年者のSAHは、脳動静脈奇形の破裂によるものが多いとされるが、なかには脳動脈瘤によることもある。
私が経験した範囲で思い出すのは3例である。一番若い人で、19歳男性。その次が、22歳くらいの女性。そして、26歳の男性。いずれも、印象的な見つかり方をしたので覚えている。
26歳の男性の方は、突然の頭痛で救急外来にいらした方。CTでSAHを診断された。クリッピングがおこなわれ、独歩退院している。私が、入局して体験した最初の20代の脳動脈瘤破裂によるSAH症例である。当時、自分とほとんど年齢もかわらなかったので、脳動脈瘤破裂は20代でもおこるのかと身近に感じた症例である。
次は15年くらい前の話で、19歳男性。外傷性の脳動脈瘤である。はじめは脳挫傷で入院したが、3週間後くらいに血管撮影で動脈瘤をみつけトラッピング(A2抹消部だったので)。病理検査で外傷性脳動脈瘤とわかった。
脳挫傷をおこした症例のなかには、3週間後に脳動脈瘤をつくることがあるので脳血管撮影をあとで行うことも大切であるということであった。このときは担当の先生が、専門医試験の勉強をするなかで学んだらしく、破裂前にみごとにみつかってしまった症例である。
次は12年前くらいの症例。22歳女性。飲酒中(ワイン)を飲んでいるときに突然の頭痛。以前もときどき飲んだあとに頭痛があったが、今回はなかなか治らないという。見た目ではアイドル歌手のようなかわいい感じの女性だったので、女性特有の偏頭痛だろうと考える。
項部硬直もなかったが、これはSAHも完全に否定はできないと思って、検査をオーダー。しかし、私がそこの病院の非常勤で診ていたので、時間切れで当直の常勤の先生にバトンタッチをすることになってしまった。その後の結果はあとで知るのだが、。
引き継いだ先生は、画像検査で異常がないので帰宅させた。翌日も来院したが、鎮痛剤を処方して帰宅。そして、数日後にSAHで来院したという。
私が、1週間後に訪れたときは術後管理中であった。予後は?である。でも大きな問題には当時なっていなかった。
原因はどうであれ、SAHは若年者にもあるので、どんな年齢であれ頭の片隅にいれて注意しなければいけない。
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