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この季節になると、脳血管障害、とくに脳梗塞になって救急車で搬送されて来る患者さんが多い。
ほとんどの方は、あまり病院にまじめに通っていなかった方やかつて脳梗塞を発症したかたである。また、残念ながら開業医の先生方がフォローしていた方などもときに来院する。
私は、せめて自分のところに通院してくる患者さんだけは、予防してあげたいと、薬だけではなく、血圧や生活習慣の注意など話をしている。なかには、その話にうんざりするかたもいれば、できないとしてやらないながらも通院しているかたもいる。でも、ほとんどの患者さんは、朝と晩の1日2回の血圧測定をちゃんとやってくださっているし、薬も飲んでくださっている。
血圧も、130~140台を目標に厳密にコントロールしているつもりだが、中にはほとんど不可能に近いかたもいる。いつかはこの方は、脳卒中になるのではないかと心配しながらみるが、大丈夫である。
ところが、先日、思わぬ患者さんが脳出血ではこばれてきた。私の外来に通院していたおばあさんで、血圧から血液検査まで良好にコントロールされていた。ただ、右中大脳動脈狭窄と無症候性脳梗塞があったので、アスピリンを内服していた。血圧は、120-130台で80歳近いかたであり、本人も「もうすこし長生きしたい」とおしゃっていた。
そのかたが、食事中に卒倒し、そのまま昏睡状態になった。私が見たときは、意識レベル300である。家族が言うにはあっという間の出来事であったらしい。頭部CTでは左頭頂葉を中心とする脳葉型の巨大な出血で、アミロイドアンギオパチーによる出血と思われた。アスピリンの内服もしているので、出血が出血を呼んだ可能性もある。
手術治療の選択もあったが、家族にはそのことを説明し、年齢的なことや臨床症状があまりにも悪いので内科や外科治療をほどこしても厳しいだろうと話した。脳圧降下剤の投与などおこなったが、ほどなく自発呼吸も停止し人工呼吸器に完全と依存するようになり、脳死に近い状態となった。
去年までの元気だった姿をみていたので、まさかこうなるとは思わなかった。ご家族も悔しそうであったが、年齢も考えればと肩をおとしていた。
血圧や血液検査、そして、内服だけではまだまだ不十分である。当院の非力なMRIなら、ことさら難しい。なんとかしたいものである。
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