kocchan
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2006/12 >>
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

歩いて来院するSAH患者さん2

kocchan / 2006.12.01 16:41 / 推薦数 : 0

毎週金曜日は研究日なのですが、今日は非常勤の先生がお休みになり私が急遽、外来診療となりました。そこへたまたま紹介状をもってかけつけた方がおりました。 

80歳の女性で、2日前の朝起床時に頭痛を自覚。その後、嘔気もあり。頭痛は特に肩から項部にかけての痛みだったようで、かかりつけの開業医さんに往診治療。血圧が高かったので降圧剤と制吐剤の注射、痛み止めの注射をうけたとのことでした。そのおかげなのか、翌日には頭痛もややおさまり吐き気も少しおさまったようです。でも、十分に食事はとれなかったとのことでした。しかし、今日にになって、やっぱり頭痛(項部痛)強く、嘔気もあり、鎮痛剤や注射で治まらないため、かかりつけ医に相談して今回の運びになりました。

高齢者なので腰は少し曲がっていますが、足取りはしっかりして意識も清明。痴呆症もなく、既往は高血圧のみ。

他覚的には、頭痛による苦悶様顔ぼうがあります。

髄膜刺激症状が軽くみられますが、はっきりせず。頭をちょっと振ると痛みが強くなるということです。ほかには、麻痺やしびれなどはありません。肩をマッサージすると少し楽になるということで、一見、緊張型頭痛のようです。

血圧は136/70mmHgでした。体温は、36.0度。

ひとめみて「SAHかもしれない」と感じたのですが、はずれることもあるので、頭部CT。すると、放射線技師さんから「SAHなので診にきてください」と連絡が入りました。

脳底槽の出血は、ほとんどwash outされていて、出血源と思われる前交通動脈あたりに血腫が少し残る所見。頭頂部などの脳溝が消失し、一部高信号をしめしています。

発症2日目でしたが、ご家族には、「開業医さんの注射がよかったのかな。でも運がよかったですね」と、「私一人では処置できないので、近くの脳外科専門施設で診てもらいましょう」ということで救急車で搬送いたしました。

SAHの頭痛の方は、必ずしも「突然におこる金槌でたたかれたような頭痛」を訴えません。このおばあさんは、「朝起きたら頭痛がした」と言います(突然といえば突然なのでしょうけれども)。そして、「嘔気も出てきた」といいます。ものすごい痛みではなかったようで、むしろ、気持ち悪さのほうが強かったようです。SAHのポイントである、だんだんと強くなってくる頭痛ですが、このおばあさんの場合もそのような経過たどったようです。しかし、開業医の先生は(何を注射したのか?)注射によって楽になったようです。注射で頭痛が楽になるだろうかと疑問ですが、楽になったようです(単に自然経過かもしれませんが)。でも、吐き気はそんなにおさまらなかったようです。

私が発症時に往診していたら、SAHを診断できるかいなかはちょっとわかりませんが、初期診断は難しかったケースと考えられました。

でも、SAH患者さんは、歩いて来院してほしくはないですね。

後日この患者さん、AcomAと左MCAの2箇所に動脈瘤があったそうで、2箇所にクリッピングされたそうです。元気なようです。(破裂したのは、Acomのようです)

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)