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http://blog.m3.com/DrMarketTrading/20060613/2
こちらの先生のブログを拝見し、私も何例か歩いて来院するSAH患者(Walking SAHなんて昔言ってました)を体験していますので、ちょっとコメントしたいと思います。(この先生の主旨とは違うかもしれませんが)
脳外科医をやっていると、頭痛患者はほとんどルーチンで頭部CTをとったり、当直していても頭痛で来院したら頭部CTをとるので見落とすことはないのですが、頭部CTがないところや僻地の病院などはそこのところは問題になることがあるかもしれません。
しかし、頭痛を訴える患者さんの90%以上は、良性の片頭痛が多いので、頭痛を軽くみてしまうのは医師も一般の人も同じかもしれません。
その中でも、歩いてくるSAH患者に遭遇し、あとで悪くなって大変な目にあうのは、「運が悪すぎる」といっても良いのではないかと私は思います。しかし、患者さん本人家族や医師にとってはそうは言っていられないということです。
歩いてくるSAHの患者さんをみるポイントは、頭痛のエピソードをよく聞くことです。教科書では、「突然にくる頭痛」という表現をしますが、そのように答える患者さんはあまりいません。
あまりにそれを意識しすぎて誘導尋問的に聞くと、今度は片頭痛の人までSAHの疑いがでて過剰な検査になる場合があります。 (今の世の中それでもよいかな)
従って、患者さんに頭痛がおきた時の状況をよく思いおこしてもらって、「何かやっているときに突然頭のうしろが重くなった」とか「痛くなった」ようなことを言ったときに、まず注意します。そして、その次が大切で、その後の経過を聞きます。SAHの頭痛の場合は、出血後(たとえマイナーリークでも)頭痛が完全になおったと言うことはまずありません。鎮痛剤によっても直らず、頭痛があとをひいている場合が多いように思います。
まずはそこのところをよく聞き出すことだと思います。かつて、地方の学会で、SAHのマイナーリークをみつけるには「 突然くる頭痛」の問診だけでは見落とす危険があることを発表したことがあります。むしろ、突然くる頭痛でも「なかなか治らない、持続型難治性頭痛こそ聞き出すべきポイントではないか」と。(残念ながらこの発表の投稿はしていません)
群発性頭痛や片頭痛のひどい人で救急車でくるかたは、おおよそ、「光がまぶしく、目をあけると気持ち悪くなる」といってうずくまって吐いたりすることが多いようで。SAHの方もあたかも同じようですが光などは関係がないようです。
身体所見は、マイナーリークや急性期の場合は、他覚症状はほとんどないことは教科書どおりです。24時間くらいたつと微熱があったり、微妙な項部硬直があったりする場合もあるようです。白血球も上昇しますが、超急性期は所見なしです。詳細な問診がポイントになります。
それから、頭部CTをとれば大丈夫と思ってもSAHが見落とされる場合があること。
その一つが、マイナーリークでSAH。
貧血患者のSAH
時間のたったSAH
これらは、腰椎穿刺による確定診断しかありません。
マイナーリークのSAHでも、脳溝が消失しているとか、脳室内にわずかな二ボーがみられるくらいは見落とさない注意が必要です。脳底槽ばかりでは診断できません。
たまたま、MRIをさきにとってしまったら、T1、T2画像では残念ながら診断できません。FLAIR画像とかプロトン画像によらなくては難しいです。(神経外科内科医くらいしかとらないでしょうけれども)
脳外科医ならだれでも一度は読むDr.Yasagilの教科書には、腰椎穿刺でもわからなかったSAH例がでています。局所の血腫があったため出血がspinalのレベルでブロックされたため(確かそうだと思いました、間違っていたらすみません)、腰椎穿刺のレベルでは、出血はなかったとする症例経験です。こんなの聞いたのはこの本だけですけれど、あまりにも例外中の例外です。
いずれにしても、SAHを考えると頭痛の診断は、慎重にしないといけないと思います。でも、歩いてくるSAH患者は一般病院でも年に1例もないと思います。
でも、まれであるから恐ろしいのですね。
以上
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