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脳外科医の孤独3

kocchan / 2006.09.13 15:50 / 推薦数 : 0

慢性硬膜下血腫(CSDH)の患者さんは、脳外科医にとっては手術も簡単に終わるし、入院期間も短期ですむので、患者さんにとっても医者にとてもありがたいのである。ところが、この疾患は、高齢者に多いので、意外な経過をたどることがある。

特に老健施設で普段と比べて様子がおかしいと言ってこちらに移って、頭部CTでCSDHがみつかり、すぐ手術して1週間くらいで帰すつもりがそうでなかったりする。

頭以外の病気がみつかったり、悪性腫瘍がみつかったりなどということがある。

まるで、脳外科の手術によって悪くしたように思われてしまい大変な思いをしたことが数例あった。

先月も老健からきた87歳の老人が、脳ヘルニア状態でCSDHがみつかり、緊急手術。膀胱バルーンを入れたら、ものすごい血尿である。バルーンで傷つけたかなと様子を見ていたら、数日には軽快。CSDHもよくなり、意識レベルも良好。ところが、術後10日目、いよいよ老健にもどろうとしたら、突然の無尿。BUN97、クレアチン8.0という値。

泌尿器医はいないので、内科医の先生と相談。CTやエコーを施行したところ、膀胱腫瘍があるという。結局対応できないので、転院になったものの、転院する2日前に家族の一人が「なぜこんなに悪くなったんだ?毒の入った点滴でも打ったのではないか」と看護士に直訴。

院内中の問題になるも、訴えた家族の一人に説明をしてなんとか納得はしてもらった。

そもそもCSDHで死に掛けていたのを助けたのに、何でこんな言われ方をしなければいけないのか、心は煮えくり返っていた。しかし、ここは我慢するしかないと思い、転院にはこぎつけた。結局、転院先では腎婁をいれたものの、高齢者であるし腫瘍は肺まで転移しているので、これ以上やることはないということであった。さらに、やることはないからそちらで診るように言ってきた。

家族と相談して、お断りの返事はした。

このようなことは、脳外科をやっていてよくあり、その意味で他科の先生との連携協力は本当に大切と思うが、脳外科医に何でもやらせようとするこの体質も困りものである。

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