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大学医局とは、いっさいつながりをもたないつもりで、一匹やもめの立場で、かっこよくはゼロからの出発を決意して、この病院に赴任した。
脳外科という特殊な領域によらず、「オールマイティに事に当たろう」と気持ちも切り替えた。いろいろな分野に、顔をつっこみそれなりに皆奥深いものがあることに気づいてきた。
しかし、現実的な経営陣にとっては、金につながる姿勢とは言いがたいため、風当たりが強い。「手術をしてかせいで欲しい」という声が聞こえてくる。
一人の脳外科医でいったい何ができるか?麻酔科も非常勤しかいない。機械類も錆び付いているものが多い。穿頭術が精一杯である。慢性硬膜下血腫の手術で十分だろう。
そんなかで、非常勤を大学の医局から呼び込めないかとの提案。人材不足の大学医局でも、常勤はだせなくても、アルバイト医くらいはだしてくれるだろうという意見。
そうかもしれないが、自分の当初の気持ちに反する意見である。確かに、一人だと大変は大変である。そんな現実に負けて、大学の医局長に連絡。
「非常勤にだせる人材はいない。コスト面でよければ考えます」との返事だった。
「やはり、金の問題か」と思った。
いったい、この病院はどのくらいだしてくれるのか?わからないが、コスト以外の面では、仕事負担はほとんどないのだが・・・。
離れた者に対しては当然かもしれないが、厳しい態度だった。
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