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僕は自分が関わった患者さんたちには、
病の治療が(症状が)ある程度治まってきたら、
防御(自分をどう守るか)を教える。
「少し人を傷つけて、少し自分も傷つく。
そういうやり方に慣れることが必要」
そうは書いたけど、慣れるためには時間が必要。
どう生きたって、やさしい人ほど傷つかずにはすまないのだから、
せめて身の守り方だけでも上手にならないと
「戦いを上達するための時間がとれない」
そう。大事なのは、対人関係の戦い方を上達することだと思う。
患者さんたちはみんな上手に生きられなかったから病んだので、
症状が治まったら治療が終了するわけじゃない。
それではなかなか病院から卒業できないし、
よしんば病院を離れてもすぐ再発しかねない。
だから僕は、疾患治療のゴールは症状がおさまるときじゃなくて「自分は修行中である」という意識をもつときだと考えている。
そして修行がすすめば病院から卒業できる。
もうちょっと具体的に。
退院するよ、会社に戻るよ、つきあってみるよ、結婚するよ、
そんな修羅場に飛び込んでいこうとする患者さんに
うるさいほど「うまくいかないとき」の受け方を教える。
そういうとき、僕のイメージでは受け技に2種類ある。
①一歩下がって相手の攻撃の届かないポジションに移ること
②その場にとどまって、上体をやわらかくシフトして
相手の打撃をかわすこと。
① は職場や家庭を離れること。いざとなったら入院。
厳しい攻撃の連続に無理して耐え続けないで、離れて仕切り直す。
これが一番確実な防御なんだけど、これはマイナスを0にするためのやり方で、
一歩踏み出すためのやり方じゃない。
② の踏みとどまる大切さ、を僕がしつこく書くのは、
そこからだと相手に自分の攻撃も当たるから。
当たって「殴り合い」の形になれば、それがしばらく続くなら
必ず戦いに慣れて、痛い思いをしながらすこしずつ戦い方が上手になる。
踏みとどまるのは、戦い方が、生き方が、
痛い思いをしながら上手になるため。
だから踏みとどまる目的は、絶対忘れてはいけない。と思う。
ひどい言葉をかけられたり、厳しい要求を突きつけられたり、
思いをわかってもらえなかったり、必要とされなかったり、
そういうことを今の立ち位置から下がらずに
踏ん張ろうとするなら、ただそれに耐えることを目的にしてはいけない。
いや今この場では、それを目的にしないと上手くいかないから
それでいいんだけど、 踏みとどまるというのは、
もっと意味のあることなんだといいたい。
ボクシングで例えるならば、ロープ際で倒れずに踏ん張っている状況。
さんざん打たれて立っていられるのはそれだけでスゴイ。
でも本当にすごいのは、それが自分の3年後、5年後に繋がるところだ。
耐えることだけが目的なら早く倒れた方が、次のラウンドに生きることもある。
そうじゃなくて、踏ん張っているのは、戦いに慣れて戦い方が上手になるため。
最初はパンチが見えないから、ひたすらに耐える。
たたかれているうち(ある意味の諦観とともに)に
少しパンチが見えてくるから、そのパンチに触れるところから始めて、
少しずつパンチにグローブをひっかけてロープから脱出することを学ぶ。
ロープ際を脱出する(追い詰められたところを脱する)っていうのは、
己をそこで主張することだったり、
いろんなものをあきらめることだったりいろいろだけど、
大事なことは自分が今、経験を積み上げているって自覚すること、
それを目的意識的に積み重ねることがすごく大切。
たぶん、そこが目的的に行えないと、病院から卒業しにくい。
目的意識的にそこを行って、自分の成長を感じないと、
自分で自分を支えられるような自信がつかない。
そんなことを考えながら日々診療してる。
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コメント
コメント一覧
精神科の先生には神経内科の病気から来るものだと言われますし、神経内科の先生からは難しい症例で良く解からないと言われています。
介護している側がパニックになりそうで、限界を感じています。
ブログをお時間が在ったら読んでみてください。
何か好いアドヴァイスがあればお願いします。
コメントありがとうございます。
僕はパーキンソンといえば、うつが合併した方を見て苦労した経験が何度かあります。とても大変でした。アドヴァイスといわれても難しいのですが、読んでみます。
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