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区の小児科医会の講演を薬屋さんに頼まれたので
久しぶりに大学の図書館で調べ物をした。
いろいろ面白かったので、講演のプロットをメモ。
子どものうつは増えているか?
よく新聞などで報道されるように子どものうつは増えているのか?
→答えはノー。
20年前の厚生科学研究で、福岡の小学生1000人と中学生500人を調査して、
小学生の13%、中学生の22%に抑うつ傾向が見られた。
2004年に北海道で約3000人の小中学生を調査したところ小学生の8%、中学生23%に抑うつ傾向が見られた。
小学生に関しては2004年に筑波の先生が小学4年生から
6年生3000人を調査して、約12%の子どもに抑うつ傾向が見られた。
この2004年の調査結果は大々的に報道されて、
「子どものうつは増えている!」とか言われたけど、
昔の資料をひっくり返してみると、一般の児童における
うつ状態の子どもの割合は決して増えてないと思う。
では、うつ病と診断される子どもの数は増えているか?
→答えはイエス。
いくつかの病院で調べたら、20年前は「うつ病」と診断される子どもは、
未成年者の患者の3パーセントにも満たなかったけど、
今は20%~30%を占めるらしい。
ここから考えられるのは、2つ。
この20年、薬屋さんのキャンペーンもあって、
大人のうつの概念が大きく変わったこと。
昔は「うつっぽい」状態でも、それは自分で何とかするものだ!
といわれたり、そんな甘えてないで働け!とかいわれたり。
よほど重症にならないと「うつ病」っていっちゃいけない状況だった。
それが今は「うつ病」が社会的に受け入れられて、
診断をつけやすく、治療が受けやすくなってる(昔よりは)。
そういう大人で見られる現象が、子どもの世界に波及しているということ。
もう一つは、社会そのものの性質が変わって、
昔はうつ状態の子を家庭が、学校が、地域がそれなりに支えてきたのが、
(悪い意味で言えば、病院に連れていかずに何とかしてた)
今はそのセーフネットが崩れて、病院も一緒になって支える必要が
出てきているということ。
小学校や中学校の現場や、家庭の機能がすごく限定的になってきていて、
あいまいなまま家においておくとか、
あいまいなまま学校においておくとかが出来なくなってる。
だから、何か結果を出さないといけない、
振り分けて整理しなくちゃいけない、そんな感じ。
結果、病院という治療機関が交通整理に一枚噛まないといけなくなってる。
だから、小児科の先生方は大変だと思う。
そもそも子どもの場合、
あたまが「精神」というレベルで出来上がってないのだから
大人みたいに自分で悩んでうつになるのと違った構造があるはず。
だから、本人に対するアプローチ以上に
ケースワークが重要になるはず。
学校や親は子どもを何とかしてくれといってくるけど、
子ども以上に学校や親が何とかならなくちゃいけない場合が多い。
だからスクールカウンセラーが廃止されて
スクールケースワーカーが導入されつつあるということ。
で、この流れで治療について。
小児科医の先生方は薬の使い方で悩んでいるらしい。
薬屋さんが儲けるための会でこんなこというのは気が引けるんだけど、
子どもに薬は使いにくいし、使わなくていいんじゃないか?
うつって、SSRIでしょ。
自殺のリスクを上げるとか書いてあるのでふつう怖くて使えないでしょ。
ただ、薬屋さんのために一言言っとこう。
(金もらって全否定では申し訳ないので)
子どものうつの診断をよく読んでみると、
「子どもは抑うつを上手く表現できなくてイライラ感として表現する」
とか書いてある。んー。
急性期をやってるとそれっぽい子はたくさん見てて、
そういうイライラ感とか、情緒不安定な要素を抱えてる子に
SSRIを使うから駄目なんじゃないか?
むしろ、そういう情緒不安定な子は躁うつの文脈で捉えて
デパケンとかを使用したほうが上手くいく気がする。
病気として完成しないのが子どもだから、症状レベルで
もうちょっと柔軟に捉えたほうが上手くいくと思う。
SSRIは小児科だったら、慢性疲労症候群とか診断されそうな、
それでいて生活を改善してもよくならないような子に使うといいのかなと思う。
だから子どものうつって、一つと考えて治療するより、
定型と非定型にわけて捉えたほうがいい感じ。
そんな感じの話をしようかな。受けるといいな。
もうちょっと教科書的な話を入れたほうがいいのかな。
今回はメモでした。明日パワーポイントにまとめよう。
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コメント
コメント一覧
コメントありがとうございます。
ゆとりの反動か、すごい子どもに対する「教育熱心」な親が増えている気がします。
ただ、柔軟性もまたつくる時期であるこのころに、「固める」教育をすることは正しいのかよくわかりません。僕敵にはあぶないかなとおもうのですが・・・でも、勉強とか、アタマでモノを考えるのはある意味スポーツみたいな(アタマの)ものですから、いいのかもしれませんが。
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