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人にものを習うとき、一番苦しいのは
自分を否定されることだと思う。
そこを乗り越えないと学べないというのは良くわかるんだけど、
「出来ない自分」を「駄目だ」と否定されると、
自分の気持ちを立て直すのに時間がかかる。
逆にいうと、人にものを教えるとき、
一番難しいのは叱ることだと思う。
精神科でも患者さんを叱るのが一番難しい。
治療の決まりごとを守らなかったり、
社会的にまずい行動がエスカレートしたり、
そんな行動が続いて、叱らないと駄目だ!となる時、
注意というか指導をするんだけど、それがすごく難しい。
患者さんにとって、行動を注意されることと、
自分を否定されることは、極めて近い関係にあるから。
ずっと僕は、それを乗り越える鍵は信頼関係だと思っていて、
信頼関係が築けている患者さんにはガッチリと叱って、
築けていない人にはやんわり駄目出しをするくらいに止めていた。
けど、信頼関係のあるなしというのはちょっと違うのかもしれない。
それは叱る側の理屈であって、
叱られる側はわかるように叱ってもらわないと困るから。
否定されると事実を受け取るという作業が難しい。
否定されたら、自分を保つので精一杯になってしまうから。
叱るという行為は、今まさにここで事実に直面してほしいからするもの。
叱られたほうは、自分を保つので精一杯で、
事実どころじゃなくなれば本末転倒というもの。
だから、叱る側はファクトをちゃんと叱って、
相手にはリスペクトを感じさせないといけないんだと思う。
あるビジネス書で、アメリカでは社員に指導をするときに、
ユーではないくユア●●について叱咤すると書いてあった。
なるほど、君ではなく君のしたことは!と指導がはいるんだ。
ちゃんと自分と自分の行動は分けるべきなんだと思う。
ただ、それを日本でやろうとしたとき、
アメリカ式がどこまで通用するかは疑問。
アメリカのやり方はクリアでわかりやすいんだけど、
現場で使えないことだらけなのは、精神科医ならみんな知ってる。
ふと思い出したのは、むかし僕に指導してくれた先生。
「お前は愛情がないから指導(叱り方)が下手だ」とか言われた。
愛情とか漠然としたことを言われてもさっぱりわからなくて、
ただ否定された気分が残ったんだけど、
患者さんを人としてリスペクト出来ていない僕がいて、
そのことを言われていたんだと思う。
昔の人の教えは、すごく不器用だけど、正しい。
まず愛情、リスペクトがあって、それで初めて相手の問題も見える。
そういうのが正しいやり方、叱る素材の見つけ方なんだと思う。
リスペクトしてみつけた問題を叱る。たぶん、僕はその先生にはかわいがられていて、
いわゆる愛情を注がれていたから、今は言われていたことがわかる。
リスペクトから入って問題を規定するプロセスがないと、
叱られる側は自分と叱られている内容を分けられない。
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コメント
コメント一覧
人格を否定されているのではないのに、時に、全人格や存在そのものを否定されているように感じて落ち込んだり。
または感情で叱られると、反発が先に立ってしまったり。
やはり、根底に愛情が感じられないとだめですね。
自分のことを思って言ってくれているのだということが理解できれば、余裕ができますし、本当に変われるきっかけにもなる。
それに自分が叱る立場になることを考えると、相手に対する愛情がなければ叱れません。
叱った後は何倍も神経を使って見守って、表に裏にフォローが必要ですし。
今日日、下手に叱って恨まれたりするならば、適当にやっておこうという上司や先輩が増えましたけどね。
ちょっと話がずれましたが、先生のお話を読ませていただき、感じたことを書かせていただきました。
コメントありがとうござます。
上司の話、同感です。叱らないのが一番楽なんですよね。
あと、愛情を持って叱ることを書いたけど、叱られたら方はどうあっても嫌だし、恨んだりはするんですよね。一瞬でも。でも、相手の愛情というか思いがベースにあれば、立ち直りが早い。ふり戻しがくる。これが大切なんだと思っているんです。上手くかけませんでしたけど、いつか書いてみたい。ふり戻しの重要性。
自分の子どもは難しい。うん。他人の子の方が客観的に見れるぶん、判断を間違わないですしね。
でも、時々人の家の子とか、神様からの預かり物とか思って自分の子に関わるのも面白いですよ。いい感じで距離が取れて。
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