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今、精神科医が書いた非行臨床の本を読んでいる。
もともと「犯罪を犯したら警察の領分」といって
精神科がタッチしてこなかった分野だけれど、最近はそうでもないので。
で、更生のためには、「葛藤する」力をつけさせることが大切らしい。
正確には「葛藤を保持する力」か。少年であっても、世の中のルールはみんなわかってる。
盗みが悪いとか強姦が悪いとか、みんな知ってる。
でも衝動のままに行動してつかまっちゃう子がいて、
そういう子はほとんどが、自分の中に矛盾を溜め込んで
「我慢」することが苦手らしい。
この本を読みながら、これってそんなに珍しくないよなと思った。
僕が普段診ている子たちにすごく似てる。
自傷が常態化して、何かあると即スパッといく子たちに。
その子たちは、みんな自傷しちゃいけないってわかってるんだけど、
何かのきっかけで「自分の存在を否定」されるように感じて
(もしくは自分で自分を否定してしまって)スパッと行く。なんとか死なないように踏みとどまらせても、そこから先
「自傷を我慢して生きていく道」が大変。
もっというと、普通の子でも珍しくないかも。
葛藤を保持するなんて、難しいことじゃなくて、
「自分の気持ちをぐっと溜める」というレベルで見ると、
みんな苦手になっている印象がある。テレビで「間宮兄弟」って映画がやってて、
主人公の一人(男性)が、沢尻エリカに告白するシーン。
江尻さんは彼氏がいる設定で、それを知らない主人公がデートに誘うんだけど、
沢尻さんは、主人公が自分に好意を持ってると知った瞬間「嫌な顔」をする。
それ見てて、いや、あれは人に向けちゃいけない顔だよなと思った。
僕の常識では、自分の気持ちは一瞬ためて、
相手の様子を伺って気持ちは表現するもの。
「私は嫌だから、私が嫌な顔をするのが当たり前」。
そういわれれば、そのとおりですねとしか言いようがないんだけど、
そういう動物みたいな行動は、間違いなく自分の首を絞めると思う。
いつか社会にはじかれる。
そこは一瞬踏みとどまろうよ。一瞬の溜めは大事。
溜めというのは、感情のままに進むのを止めて、
一瞬損得を計算すること。もしくはその先の攻防を描くこと。
描いてその後、駄目な行動をとることなんてたくさんあるけど、
溜めが出来れば、絶対に社会で生きやすくなる。
だから、自傷をする子に限らず、過食でも、薬でも、ギャンブルでも、
嗜癖という言葉でくくることの出来る領域の子には、
今一瞬踏みとどまることを大切にして、臨床をしてる。
沢尻さんの「嫌な気持ち」くらいなら踏みとどまれても
「自分の存在を否定された」と感じる子達が溜めを作るのは大変。
でも一瞬でいい。そこで溜めが創れれば、
たとえその後切ったって次につながる。
そう考えると、非行の子達も「嗜癖モデル」で
対処できるかもしれない。ただ場所は刑務所の中になるんだろうけど。
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