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< スーパードクター | メイン | ケースワーカーを育てる >
2008.05.04 23:46 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 1

業界の変化

10年前の大学勤務の頃。「こどもが荒れてる」とか、

「家に寄り付かなくなった」とか親が相談にきても、

「病気じゃないからうちでは診れません」が普通だった。

自傷は診ないという医者も珍しくなかった。

今は民間だからというだけじゃなく、

「まず話を聞かせてください」が普通になっている。

 

病気じゃなきゃ、家庭で解決するか、警察の出番。

それが僕の10年前の常識だし、

僕の同僚もまったく同じ姿勢だったと思う。

社会の中での自分たちの立ち位置が、

すごく小さな範囲を見る「専門家」だった。

 

今も「専門家」だけど、

微妙に立ち居地が変わっている。なんだろう。

精神科医療がカバーする範囲が増えた。

いや、それだけじゃなくて、医者が勝手に

自分の診療の範囲を決められなくなっている気がする。

患者さん個人の要請に、医者がこたえるべきという

なんとなくそんな空気の中、

「困っている人」への対応を迫られている。

 

昔の医者がよかったという気はない。

昔の医者は、すごく傲慢。自分の腕を磨いて、

自分で診るべき疾患を判断した。

それがある程度質を維持する面があったけど、

親に泣かれても「うちでは治療できません」

とか平気で言ってた。 

今は、患者さんが個人の権利の中で

必要と感じるサービスを選択する。そんな感じ。

それは今、結構な弊害を医療者にもたらしているけど、

一面、すごく治療を進歩させているとも思う。

いろんな民間企業が客のニーズに合わせることで

進歩するように、業界全体を変えつつあると思う。

 

だから、自傷行為をフォローするなんて

当たり前になってるし、昔は「病院で精神科的に

アプローチしてもまず効果ないよ!」

といわれてた非行臨床の分野も、

いろんなアプローチが入ってきてる

ギャンブル依存とか、性非行とか、

もちろんそんなのに従来型の医療は

役に立たないけれど、自助グループだの

家族相談とか、嗜癖の治療プログラム導入とか、

そういうのは「困っている人たち」にとって確実に助かること。

 

ただ、「困っている人を助ける」ことと、

「病気の患者さんを助ける」というのは、

実はまったく違うことだから、

変わりつつある業界のなかで

その辺は自覚しないと・・・と思う。 

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