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ビジネス本が大好きになったきっかけは、
「成功者になりたい人は、自分の成功を定義すべき」
という言葉を読んだから。
本屋で立ち読みしてて、おおすげえと思った。
そうそう。幸せとか、成功とか、
漠然としたイメージだけの言葉は、そのまま扱うと危険。
ちゃんと具体的に定義するから、
そこにいたる道筋も描ける。
精神科の治療もまったく同じだと思う。
不安やパニックに悩まされている人が来て、
昔の状態にもどしてほしい!と頼まれたり、
就職してからうつになった人に、
学生のころみたいに元気な自分に戻りたいって言われると
すごく悩ましい。
気持ちとしてはよくわかって、
元気な昔に戻りたいというのは、みんなそうだと思うんだけど
まじめに治療に取り組むと、それはすごく難しい注文になる。
なぜなら、病気の前の状態とか、前の生活って
病むだけの必然性がある生活だから。
すごく軽症なら、あんまりそういうことを考えなくていい。
でも、ちゃんとした「病気」にまで至る人は、
なるべくしてなっているはず。
昔の自分って、過剰に周囲の期待にこたえるために
あっちこっちを飛び回って難題を抱えこむ自分であったり、
職場でまた元気に・・・というけど、その人の元気は
自分を150%酷使して、周りが見えなくなる元気さであったり。
「元に戻る」「元気になりたい」という言葉も漠然としていて、
一緒に目標を語り合う上で、とっても危険な言葉。
気持ちは分かるけど、漠然としているからそこに至る道筋が描けない。
だから、ビジネス本が「成功を定義しようよ」と語りかけるように
精神科の治療でも「治癒を定義しましょう」と話すべきだと思う。
何がどうなったら、よくなったといえるのか。
それさえ決まれば、日々のミニマムな変化が
「快方に向かってますね!」とかちゃんと共有できる。
・・・と、書いてきたけど、これって実はすごく難しい。
その定義がきちんとできれば、治療はすごく簡単になるんだけど。
患者さんや家族が、現実に向き合う必要があるし、
そもそも僕がビジネス本をあさっていたのも、
定義に至るプロセスとか書いてある本あったらいいのにとか
診療のヒントを探していたから。
とくに、軽症の子なんて、その定義しだいで
治療の行方がすごく変わってくるから、
この辺のことは大切だと思うんだけど。
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