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2008.04.26 20:42 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 2

発達障害診断の数年後

週末に薬屋さんの勉強会で、発達障害(アスペ)の症例報告を聞いた。

児童精神科の先生がすごくまじめに検討していた。

すごく手間ひまかけて診断してる。

 

えらいなと思う。

でも、僕がいるような民間病院で、

あれをやれといわれたら大変だなとも思う。

たぶん、1人の子どもを診察する間に、

5、6人の患者に手間をかけたいい診察が出来る。

 

薬屋さんの勉強会を聞いていて違和感を感じたのは、

発達障害(アスペ)かどうか、そのことにすごく神経を使っていて、

その後の治療展開からあんまり逆算して考えいるように見えないこと。

僕は病名(精神病以外)はラベルだと思っていて、

その貼り方は、その人の治療プランが決めるんだと思っているけど、

あんまり児童の人はそう思っていないらしい。

 

僕は今まで発達障害という診断は、

患者さんを取り巻く状況がこじれてしまって、

みんながその罪を互いに擦り付け合って困るからつけるんだと思っていた。

悪いのは誰かじゃなくて、生まれつき。

患者さんが社会に合わせる前に、

社会を患者さんにあわせましょうというラベル。

「障害」と診断をつけることで交通整理をする。

 

当然ラベルを貼る以上は、社会とのすりあわせまで

責任もってやるべきなんだけど、どうもそういうのは

児童では常識じゃないのかな?

診断して、社会を患者さんにあわせましょう!では、

今の一瞬は患者さんも家族も楽になるけど、

時間がたつにしたがって矛盾は大きくなって大変だと思う。

それが「障害」といわれるレベルであるほどに。

 

僕はADHDだけど、やたら衝動性が高いのを

障害として尊重されてしまっていたら、今社会でやれていたのか疑問。

やたら叩かれて痛い目をみたし、自己突っ込みみたいなものは

すごく強くて、いつも道を歩きながら「馬鹿じゃないのか」とか

自分に対して独り言をぶつぶつ言っているけど、

それでも社会人として何とかやれている(たぶん)。

 

個人に社会のほうを合わせるような指導というのは、

すごく怖いことだと思う。個人の能力をスポイルして、

本当に困るのは数年後。

そして、その数年後はもはや手遅れ。

社会にでるなんて出来なくなっているんだと思う。

 

だから場末の民間病院で毎日患者さんをたくさん捌いて

患者さん(お得意様)と一緒に生きていく立場からは、

その診断に要する労力を数年先のプランを描くところに

さいてほしい。それを勉強会では教えてほしい。

 みんなどうやって患者さんを支えているんだろう。

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コメント一覧

はじめまして。
検索でたどりつき、日記拝読しました。

Blog主さんのように
患者の将来の社会生活までをみすえて
考えてくださるドクターだったら
多少厳しいこと言われても信頼して着いて行けそうですね。

またちょくちょく読みに来たいと思います。
written by ゆずみつ / 2008.05.02 09:32
コメントありがとうございます。恐縮です。
でも、時々失望させるような日記になってしまうと思いますが・・・・

written by なし / 2008.05.02 11:33
福祉関係の仕事をしています。

発達障害に係わってくださろうという精神科のドクターはまだまだ少なく、先生のように真剣にお考えくださる方がいらしてうれしく思います。

ただ、発達障害を持つ方にとって、診断は福祉という支援を得るためにはとても重要なものでもあります。発達障害者支援法ができて、支援は大きく広がってきました。診断がつくことで、私たち福祉は先生方医療と手をつないで、障害を持つ方の地域生活を支援することができます。これも一つの見方であることを投稿させていただきます。

また勉強させていただきにまいります。
written by ぴんくきりん / 2008.05.05 11:51
はじめまして。

最初に拝見させていただいた印象は「毒の強い方なのかな(失礼)」とのものでしたが、よく読めば読むほど当事者である患者さんのために最善の診療と配慮を尽くしておられる方なのだということが分かりました。

稚拙を論じれる立場ではないので簡略に止まらせていただきますが、確かに筆者様のおっしゃる発達障害の診断は近年まで個性として認められていたものですね。

私は一当事者として、このような理解のある先生がおられることを嬉しく思います。

私も先生のお考えを今後も勉強しに来たいと考えております。
written by 僧正 / 2008.08.03 05:01
 はじめまして。
発達障害のお子さんによって崩壊したクラスに子供が在籍しています。頻繁な暴力でおびえるこどもたち。
永久歯を折られたり骨折した子も居ます。
「病気だから仕方ない、個性だからありのままをうけとめろ、叱ってはいけない、社会の理解が足りない」と、親が思ってそのように教育している以上、そのお子さんの社会適応は難しいだろうなあと漠然と思っていました。
先生の文章を読んで、考えがすっきりしました。

 今の世の中、崩壊した公立が嫌で、余裕もないのに私学に進学する子供は多いと思います。
written by ゆき / 2008.08.03 11:48
僧正さま
コメントありがとうございます。
言いにくいところをあえて書いてみたいと思ってはじめたブログでもありますので、ひどいやつだといわれることも多い中、お褒めいただけるとすごく救われる思いがします。

ゆきさま
ありがとうございます。
本当は、わかって、叱らなきゃいけないんですよね。わからず叱るのはどうかとは思いますが、わかったら、なおさらやってはいけない一線を明確にしないと。
障害であるほどに、今を大切にするのは間違いだと思います。子どもであるほどに、5年先、10年先を大切にしないと。

私学熱はわかる気がします。
written by なし / 2008.08.04 13:28

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