なし
More プロフィール

Search

Calendar

<< 2008/04 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

新着コメント

  • 不眠について
    • しぎ (12.04 00:45)
    • なし (11.22 09:30)
    • full (11.21 10:52)
    • Paul Carpenter (11.21 08:42)
  • 踏みとどまることの大切さ
    • 山本 由美子 (12.01 22:58)
    • 突然メ-ルを送り失 (11.30 03:22)
    • 山本 由美子 (11.26 17:29)
    • 田中 静香 (11.21 11:27)
    • 山本 由美子 (11.21 00:08)
  • 年金テロ?
    • Paul Carpenter (11.21 08:36)
2008.04.15 18:34 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 0

精神鑑定がおかしなわけ

僕の教えている研修医に5年目のドクターがアドバイス。

ICD?そんなの使えないじゃん」

ICDに当てはまる患者なんてこないよ」

「もっと病気を柔軟に考えたほうがいいよ」って。

5年目のホープくん。素敵すぎる。

 

柔軟に考えるとはどういうことだろう。

横断的な診断基準だけじゃ堅いというのだから、

何か別の基準~従来型の縦断的診断も加味して

考えたほうがいいよといっているんだろう。

 

たしかに縦断的なものの見方は絶対に必要。

生活歴から患者の人物像を描き、現病歴から病気の発展を見る。

なぜ患者がそういう病み方をしたのか、

患者を深く知ることで、治療にも深みが出る。

 

ただ・・・縦断的な見方というのは

強烈なまでに医師の資質に左右される。

医者の個人的な(独善的な)考え方に左右される。

そこには決まった作法というのが乏しく

分析とかどっぷりつかると、それなりの作法を習うけど

結局はその人の人間観とか、そういったものの成熟で

見方が決まってしまう。

 

悪い例が精神鑑定。

××かと思うような鑑定が多いけど、

鑑定自体、事件のあとから縦断的な見方を武器に

患者の当時の状態を推測して判断するしかない為、

鑑定する精神科医の人間観が色濃く反映されてしまう。

客観的に見たら、ちゃんと状況判断して殺人しているんだから

100パーセント責任ありに決まっているんだけど、

御立派な精神科医に多い「心を病む人ってかわいそう」な人間観が問題。 

みんな無意識にかわいそうな人として患者を診る癖が付いていて、

それは医療の現場では患者の信頼を勝ち取る武器になるんだけど、

鑑定の現場では、事実の解釈の仕方が恣意的になってしまう。

     

ちょっといいすぎか。

言い方を変えると、精神科医は患者の味方たらんとして

仕事を続けていくうちに、それが自分の人間観にまで影響して

「人が悪いんじゃない。病気が悪いんだ」とかなってしまう。

で、病気に翻弄されたかわいそうな人としか人間が見れなくなる。

   

結局「この人は追い詰められていたんだ!」とかいって、

症状を大きめに取って心神喪失。

書いていると悲しいやら腹が立つやら。

「かわいそうな人」じゃなくて、「人」としてみろよ。

じゃないとどんどん精神科医が胡散臭く見られるじゃないか。

 

で、縦断的な見方は、後回しでもいいという話。

自分を振り返っても医師が普通の大人になるのは30歳前後。

卒業したてのころは異様なまでに世間知らずで、

恥ずかしい失敗を私生活で山ほど繰り返して、

結婚にも失敗して、それですこし大人になった。

自分の思い中心ではなく、そこから一歩引いて

社会中心でものが見れるように(少しだけ)なった。

自分の思いから人を見るうちは、ちょっと厳しいのだと思う。

だって、世の中かわいそうな人なんていないじゃない。

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)