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悲しいかな、今の世の中人には値札がついている。
昔はこれほどあからさまではなかったと思う。
僕の子どもの頃から人に値段はついていたんだけど、
ほかにも僕たちの価値を評価する基準がたくさんあって
自分をお金で換算して考える必要がなかった。
情報化社会のせいなのかどうかわからないけど、
みんないろんな裏(世の中の裏の仕組み)を知るようになった。
誠実とか正直とか、道徳とか親切とか献身とか、
これまで正しいとされ、美徳とされてきた概念が
その裏側が表に出ることで崩されすぎてしまって、
表の価値が力を失ってきていると思う。
いまやお金という一番わかりやすい評価基準が
全ての面で幅を利かせている。
人もその価値をお金で換算できる。
これがグローバルスタンダードというやつか。
若い患者を診察するとこの変化をすごく感じる。
自分の価値をみんな無意識にお金に換算してしまうから
若い自称負け組の患者たちは、一様に
「家族に損しか与えない自分は死んだほうがまし」という。
不登校とか落ちこぼれとか引きこもりとかニートとか。
親の思い(高収入の職についてほしい)に答えられないとか。
そんな子から「自分は生きてる価値がない」
といわれると、どんな言葉かけも陳腐になってしまう。
彼らが自分をモノとしてお金で計ってしまうから。
金で自分を計ることがまずいとは思わないけれど、
まずいと思うのは、自分で値段をつけているんあじゃなくて
世の中に流されて値段をつけられているところ。
自分の今だけを切り取って、モノ扱いするから
自分の評価が上手にできなくなっていると思う。
グローバルなんとやらの世界だからこそ、
患者さんには自分のルーツを大切にさせたい。
今だけを切り取って考える癖をなくさせたい。
生きてきた過去には金で計ることが難しいものが
たくさんあって、それが金での評価への対立軸になるのだから。
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