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研修医の指導にタッチすることになった。
ひさしぶりの新人教育。
昔は教科書に書いてあるようなことを一生懸命話してたけど、
そんなの教科書を読めば書いてある。
医者って、(自分を振り返ってみても)教えられて学ぶことって少なくて、
必要に迫られて必死にやったことしか身につかない。
だから、きちんと場を場を設定してやって、
患者数の調整をしてやることが大事かなと思う。
じっくり関わって患者さんに学ぶ時間を作ってやって・・・
一方であふれるくらいの患者さんを診させて溺れさせる。
専門家って、幅と深さが実力を規定するんだと思う。
まずもって、自分の出来る範囲を知らないといけない。
だから自分の出来る範囲のラインを引くことが必要。
「これ以上の数を抱えると自分があぶない」というラインとか、
「こういう症状からこういう症状まで」というラインとか、
自分が確実にこなせるラインを引っ張って、そのラインの中で
「ここまで深く潜れる」という深さを身につけていく。
深さと幅を少しずつ広げていくのが専門家の道だと思うし、
専門家の道を歩けるように、
その枠組みつくりをやるのが研修医に対する初期教育だと思う。
で、患者をじっくり診させて自分なりのラインづくり、
枠組みづくりをやらせたいんだけど、どうしたら上手くいくんだろう。
研修医に患者をあてがうだけではちょっと不安。
色々考えてしまう。
教科書に書いてあることは、学問としての体系なので、
臨床を進める上での基本とは少しずれている気がする。
学問は抽象化された認識であって、
臨床はその場その場の勝負だから。
で、基本は何かと考えて・・・。
やっぱりバッテイングで言うセンター返しかなと。
来た玉はまっすぐ打ち返す。
社会から外れてきた患者は社会に返す。
社会で上手く行かないから病気になったのか、
病気のせいで社会で上手くいかなくなったのか、
それはおいて、あらゆる精神科医療行為は、その人を社会に帰し、
社会で頑張れるようにするためのステップとして
位置づけるというのが基本かなと。
最近は、社会から離れたくてやって来る患者さんが増えていて
目の前の患者さんを助けようとして、「社会に返すステップ」という
基本をおろそかにすると、迷路にはまり込んで
治療が社会復帰を阻害するような事態って良く見ます。
その研修医が、薬物療法か、行動療法か、分析か、
どんな方向に特化しようが、その働きかけが、社会復帰に向けての
シナリオの一部になっていれば、医療行為として破綻しないはず。
枠組みとしてきっちり固まるはず。
だから、まずそれだけは絶対頭に入れて、
研修医には仕事を積み重ねるよう教えようかと。
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