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< 病気腎移植は正しいと思う | メイン | システムが患者を治す >
2008.02.19 20:10 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 0

演劇精神医療

最近になってやっとわかってきたことがある。

 

今まで精神科医ってプレイヤーだと思っていたけど、

実は、シナリオライターであり、演出家なんだと思う。

もちろん、舞台に上がってプレイするんだけど、

自分のプレイが自分のシナリオから外れていないかどうか、

ライターや演出家の目で常時チェックしてる。

 

精神分析とか、認知行動療法とか、薬物療法とか。

環境調整とか、家族療法とか、支持的アプローチとか。

患者の認識を変えるための手段はたくさんあって、

いろんな偉い先生が本に良いことを書いているけど、

それぞれの手法の本当に大切な部分は、

それを使うとどういうシナリオになるか、

ある程度規定されるところだと思う。

「恋愛もの」とか「ホラー」とかシナリオの大枠が決まると、

「お約束の流れ」というものがあるので、とっても書きやすい。

 

経験をつんだ精神科医はいろんな手段を組み合わせて

自分の得意なシナリオを書き、自らそれに乗ってプレイする。

 

だから患者にとって大切なのはそのシナリオ。

個々の技法は問題じゃないんだと思う。

 

いいシナリオは患者に無理を強いずに、かつハッピーエンド。

・・・シナリオというと、ちょっと誤解を招くかもしれない。

要は世の中の厳しい流れの中に、もうひとつ

患者さん中心の流れ(世界)を創るということ。

みんなが住んでる世界から脱落したのが患者さん。

脱落して自分の頭の中の世界で闘いを続けてる。

頭の中から出てきて、現実の世界で闘おうよ(やりとりしようよ)

といっても、厳しい世の中にはちょっと出にくい。

だから世の中の流れの中に、もうひとつ

「患者さんが中心の世界」をつくっちゃう。

これが僕の言うシナリオ。

 

人間はどこまでいっても自分を肯定する中でしか生きられない。

もう一度現実で頑張ろうと思うには、自分を認めることからはじめるしかない。

だったら、患者さんを中心とした世界=状況を設定して、

その世界を世の中の流れに近づけていくことが

一番治療的なんだと思う。

 

大学で研修医の指導をしていたころ、

治療の流れを指導していたことがあるけど、

あれこそ監督業だと思う。今だったらもっと上手くできると思う。

研修医が役者として大根なのか、演出が下手なのか、シナリオが駄目なのか、

ちゃんと判る気がする。

 

ちなみに僕はシナリオはいいけど、演出が並で、大根なので舞台を壊すタイプ。

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