精神科の講演会とか研修会とかで偉い先生の話を聞いてよくわからないのが「チーム医療」。
1人の患者に5人も6人もいろんな専門家が集まって情報を分析したり方針を立てたりすることが大切って・・・ どこにそんな時間や資源があるのだろう。 考え方としては正しいんだろうけど。 チームという考え方と「それを運用すること」は別なんだと思う。
現場って真面目に働いていれば、慢性的な人手不足。1人に必要以上に手間ヒマかける余裕はない。「患者さんのために頑張ろうよ」・・って、1人に手間をかけたら他の何十人かはその10分の1くらいの手間しかかけられなくなる。純粋に時間配分の問題。患者は山ほどいる。
だから、現場でチームを運用しようとしたら、患者1人を5,6人がフォローしようと考えるのではなく、患者60人を5,6人でフォローすることを考えたほうがいい。
集団を集団でフォローする体制を目指す。
よく偉い先生方は、各専門職種が専門性を発揮して・・・という話をするけど、それは当たり前の話。チームを運用するためには、それぞれの専門職種が専門外(ほかのメンバー)の視点を学ぶことが一番大切なんだと思う。
いわば、サッカーでオシム監督が要求していたこと。
ジーコの頃は極めて有能なタレントが多くいたので、「それぞれ専門性を発揮して、ひとつのボールに関われ」でなんとかなった。でもオシム監督は、そこそこのタレントで勝ち抜くために、選手にポリバレントを要求した。自分の専門職(フォワードとか)以外の職を体験させて、一人が2つ3つのポジションを出来るように。
僕はこれが集団対集団を勝ち抜くための大事なポイントだと思う。
僕らは万全の体制で患者に向かうことなんてまずない。患者の変化は、どこでいつ起きるかなんてわからないし、そのイレギュラーなものに、医者が気づいてパスを出すまでみんな動かないんではちょっと厳しい。医師しか基点になれないのでは、チームで集団が捌ききれない。
だから、みんな(看護師や心理士、ケースワーカーなど)医者の視点を知るべきだし、医者は彼らの視点を知るべき。
おたがいの視点をどこかにもっていれば、一人一人はそんなに優秀じゃなくても、ボールが来れば一人が動き、ほかが合わせることが出来る。そうやって、イレギュラーに対してみんなが連動して医療の「形」が作れれば、チームとして(個人では不可能な)レベルの高いサービスを提供できる。
たぶん、意識の高い超優秀な人は、全体の中での自分の役割が明確にわかっている。彼らが専門性を発揮するといった場合、他職種の視点が十分にわかっているからすぐにチームにあわせられる。一流選手とはそういうもの。でも凡人がチームで戦おう(運用しよう)と思ったら、専門性を高めるだけではなく、専門外(チームの他職種)の視点を高めることが必要なんだと思う。
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