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2008.01.29 22:09 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 1

崩す治療と創る治療

思春期から青年期の患者さんを診ることが多くて、

ふと自分の診かたの変化に気がついた。 

 

医師になって4、5年目のころ。

患者さんの診方に少し自信がついて、

自分なりの方法論っぽいものを考えたりしてた。

当時は「崩し方を教える」やり方。

患者さんには、自分のルールが凝り固まっているせいで、

現実に適応できずに神経症圏になっている人がたくさんいた。

そういう患者さんに「ほら、こういう崩し方もあるんだよ」

とか教えて「いい加減にやる方法」を学ばせていた。 

 

でも、このやり方は、病気の人しか通用しない。

大学で診療していた頃は、選りすぐられた病気の人を診ていた。

民間病院にきてびっくりしたのは病気の人がほとんどいないこと。

正確には、大学病院で病んでいたレベルの人がいない。

大半が病気と診断されることをすぐ受け入れてくれる。 

 

「いいんだよ、頑張ったじゃねえか、無理すんなよ」

そんな言葉をぜんぜん受け入れない人たちを

少しずつ崩していくのが治療だと思っていたけど、

民間ではその言葉をひたすら待っている人ばかり。 

      

これは本当に医療なのか、本当は福祉とか、

ケースワークのレベルの話ではないのか。

とも考えたけど、やっぱりこれも医療・・・・

現状は徹底的に肯定しないと駄目。

         

 で、今やっていることは「頑張ったじゃないか無理すんなよ」

は同じでも、崩しは目的ではなく、コネクトするための手段。

崩しは導入。本命は生活の形を崩させずに粘ること。

病気を喜んで受け入れて社会から撤退する人は

自宅でもきちんとやるべき課題・果たすべき義務を設定すべき。

                 

昔は、思春期の子が適応障害で親が頑固な堅物だと

「親を変えなきゃ」と思ったものだが、今はまったく違う。

昔は、学校を休むなんてとんでもない!と怒り出す親と

けんか腰でやりあうなんてよくあったけど、幸せな治療だったと思う。

今は親が頑固な堅物だと「ラッキー」。 

頑固な堅物もこっちでやらないといけないのは大変。

        

自分の中に基準があって、自分に苦しむ患者を

社会に適応させるべく治療するのはたやすい(わかりやすい)。

基準が無い患者に基準を作りつつ治療するほうがずっと難しい。

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