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2008.01.19 17:11 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 2

ダンジョンの難易度を下げる

なんとなく感じる治療の変化。
それは患者さんの変化なのか、自分の変化なのか。

 昔は、神経症圏やそこまでいかないような
不適応の患者さんを治療するとき、
「言語化」というものを大切に診察していた。
今も大切さは変わらないけれども、
「言語化」がうまくいかないケースが多い。

 神経症圏とは、現実の悩みが原点だけれども
それを悩むうちに、「悩みを悩む」ようになる病気。

 たとえば、パニックが心配で何もできないと訴える主婦。
破綻した夫婦関係やうまくいかない子育てが問題なのに、
それがきっかけで出てきた自律神経症状(動悸や発汗)
の方を心配するようになって・・・
「動悸がするようでパニックになる」とか。
「不安になることが不安」とか考え出す。
迷路に嵌っている状態だから、
もともとの悩みを言葉にして出して
もともとの悩みと向き合うことで、
治療するやり方が有効とされてきた。

 でも、最近治療の中で、「一緒に問題と向き合おうよ」
という流れがなかなか創れない。
症状が悪化しないですむ状況をつくることで精一杯。
 動悸がするから何もできないという患者さんに
生活を変える方向の話がもっていけない。
夫婦だけじゃ子供が育てられないので、
祖母に同居して子供の世話してもらったり、
主婦としてやることに制限をかけたり。
そういった「状況つくり」が自分の治療の主になっている。

 患者さんの「レベル上げ」「プレイの習熟」ではなく、
ダンジョンの難易度を下げることで対処している状況。
昔は難易度を下げるのが難しかったけど、
今はそれが一番簡単。
患者さんもそれを一番喜ぶし。
だからダンジョンの難易度を下げてばかり。

 でも自分自身、患者さんが喜ぶことを理由に
楽をしているだけかもと思う。
本当はそれじゃまずい気もする。
再発やら、再入院やら、精神科の患者さんの
リピーターが多いのはレベル上げをしないで社会に返すから。


患者さんも自分も、今を喜ぶより
「先のために頑張ることが大切だ」となれればいいのだが。

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