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2008.01.17 18:20 |  診療  |  なし  | 推薦数 : 1

症例検討(RPG版)

自分の考えていることをゲームに例えると説明しやすい。
たぶん、診察するときの自分の思考プロセスがそうだから。
患者さんの話をゲームの場面みたいに抽象化して捉え返す。
     
抽象化してシンプルに捉え返す作業はとても有用だと思う。
実際にケースを検討してみる。
       
思春期ケースの家族からの相談。
高校入学後クラスに入れず、相談室に毎日休まず通っているらしい。
そこでスクールカウンセラーに「死にたい気持ち」を話したらしく、
それを危険と判断したカウンセラーが親に話し、病院に繋がった。
親から聞くと、家にいるときは笑ってテレビを見ていて、
休みの日は一緒に遊びに出かけるらしい。
死ぬ・死なないとかまったく話にあがらないので、
カウンセラーの話と、家での姿のギャップに戸惑っていた。
        
端的には、子どもが高校に適応できなかったということ。
勉強のスピードや同級生の成長についていけず、クラスにはいれない。
ダンジョンで詰まってしまって先に進めない状況。
レベル上げが必要だが、詰まったまま勝てないダンジョンに
挑戦し続け、なかなかレベルが上がらない。
どうしていいかわからなくなっている。
         
抽象化して考えると、ここが一番のポイントだとわかる。
普通そういうとき、毎日学校(相談室)にはいけない。
くたびれて、ダンジョン攻略をやめて休む。
または攻略本をさがしたり、人に攻略法を聞いたりする。
でもこの子はそうしないで(したけど駄目だったのかもしれない)
毎日相談室に行って「死にたい」という話をするようになる。
         
何故クラスに入れない子が、毎日学校に通えたのか?
好きで相談室に行っていたというのは、後の展開からして考えにくい。
親の指導に逆らえなかったというのが一番妥当な状況だろう。
親の指示どおり学校にいくが、クラスに入れない高校生。
クラスに入れないが、家には帰れないので朝から夕方まで相談室にいる。
この子は「自分で判断して行動する」力ではなく、
「指示に従う」力にポイントが振られているキャラなんだろう。
見方を変えれば親への依存が強い子。
「こうげきにせんねん」の指示を受けたNPCに近い状態かと。
        
そう考えると高校適応が難しいのもうなずける。
PCばかりのダンジョンで、NPCが声をかけられるのは最初の一回だけ。
関わっても面白みにかけるので、普通の子は相手をしなくなる。
レベル1819がごろごろいる高校では
レベルが低くてパーテイーが組めない。
ソロプレイでPK
          
で、この子が親の前で笑えるのは、
親の指示の範囲内で上手くやれているときだろう。
「今はダンジョン行かなくていいよ」
「フィールドじゃなく街で買い物してなさい」というとき。
親が一緒に笑っているときは、この子も笑えるということ。
そういう意味では、やはり精神疾患ではないのだろう。
成熟度(レベル)が低いのに、無理に難易度の高いダンジョンに
入れたのが間違い。
      
と、ここまでくると、
この子はレベル上げ出来る環境に導かないといけないのがわかる。
病気じゃないから、この子のペースで・・・・ではなく、
(このままでは病んでいく可能性もある)
親の考えを修正して、子どもに道をつくってやらないと。
えてしてこういう親は、自分が強いていることは忘れて
「お前のやりたいことをやっていいのに」とかいいだすので。
     
それ一番最悪なのに。

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