自分の考えていることをゲームに例えると説明しやすい。
たぶん、診察するときの自分の思考プロセスがそうだから。
患者さんの話をゲームの場面みたいに抽象化して捉え返す。
抽象化してシンプルに捉え返す作業はとても有用だと思う。
実際にケースを検討してみる。
思春期ケースの家族からの相談。
高校入学後クラスに入れず、相談室に毎日休まず通っているらしい。
そこでスクールカウンセラーに「死にたい気持ち」を話したらしく、
それを危険と判断したカウンセラーが親に話し、病院に繋がった。
親から聞くと、家にいるときは笑ってテレビを見ていて、
休みの日は一緒に遊びに出かけるらしい。
死ぬ・死なないとかまったく話にあがらないので、
カウンセラーの話と、家での姿のギャップに戸惑っていた。
端的には、子どもが高校に適応できなかったということ。
勉強のスピードや同級生の成長についていけず、クラスにはいれない。
ダンジョンで詰まってしまって先に進めない状況。
レベル上げが必要だが、詰まったまま勝てないダンジョンに
挑戦し続け、なかなかレベルが上がらない。
どうしていいかわからなくなっている。
抽象化して考えると、ここが一番のポイントだとわかる。
普通そういうとき、毎日学校(相談室)にはいけない。
くたびれて、ダンジョン攻略をやめて休む。
または攻略本をさがしたり、人に攻略法を聞いたりする。
でもこの子はそうしないで(したけど駄目だったのかもしれない)
毎日相談室に行って「死にたい」という話をするようになる。
何故クラスに入れない子が、毎日学校に通えたのか?
好きで相談室に行っていたというのは、後の展開からして考えにくい。
親の指導に逆らえなかったというのが一番妥当な状況だろう。
親の指示どおり学校にいくが、クラスに入れない高校生。
クラスに入れないが、家には帰れないので朝から夕方まで相談室にいる。
この子は「自分で判断して行動する」力ではなく、
「指示に従う」力にポイントが振られているキャラなんだろう。
見方を変えれば親への依存が強い子。
「こうげきにせんねん」の指示を受けたNPCに近い状態かと。
そう考えると高校適応が難しいのもうなずける。
PCばかりのダンジョンで、NPCが声をかけられるのは最初の一回だけ。
関わっても面白みにかけるので、普通の子は相手をしなくなる。
レベル18~19がごろごろいる高校では
レベルが低くてパーテイーが組めない。
ソロプレイでPK。
で、この子が親の前で笑えるのは、
親の指示の範囲内で上手くやれているときだろう。
「今はダンジョン行かなくていいよ」
「フィールドじゃなく街で買い物してなさい」というとき。
親が一緒に笑っているときは、この子も笑えるということ。
そういう意味では、やはり精神疾患ではないのだろう。
成熟度(レベル)が低いのに、無理に難易度の高いダンジョンに
入れたのが間違い。
と、ここまでくると、
この子はレベル上げ出来る環境に導かないといけないのがわかる。
病気じゃないから、この子のペースで・・・・ではなく、
(このままでは病んでいく可能性もある)
親の考えを修正して、子どもに道をつくってやらないと。
えてしてこういう親は、自分が強いていることは忘れて
「お前のやりたいことをやっていいのに」とかいいだすので。
それ一番最悪なのに。
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