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2009.10.26 01:17 |  診療  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

DDW-J2009速報3

「消化管内視鏡における安全・危機管理の実際」

「大腸内視鏡検査の安全・危機管理における当施設の取り組み」
大腸内視鏡は他科医師にとってはいまだ充分特性が理解されていないため、外来患者においては必ず消化器内科外来を受診させ、消化器内科医以外が直接検査依頼できないようにする。入院患者は検査当日、内視鏡センターの医師が患者を診察して、検査可能かどうかチェックする体制をとっているという内容。
正直、この程度の内容で学会ワークショップに通ってしまうところが哀しいが、それだけ大腸内視鏡、特に経口洗腸液を使った前処置がまだまだ理解されていないということであろう。
大病院なのに、トイレが足りないなどといった情けない理由で洗腸液を家で飲ませるのは、現場の責任放棄と言うしかあるまい。

「消化管内視鏡の際に必要なインフォームド・コンセント」
前投薬によるショックや、誤飲した義歯の内視鏡的除去術がうまくいかずに開胸を必要とした訴訟事例を検討。確かに今までは検査前に十分な説明がなされていたとは言いがたい。しかしマンパワー不足の現場で全員に充分な説明を行って、患者から承諾書にサインしてもらうことが果たしてできるのか?というジレンマに陥る。

「消化器内科ー循環器内科での院内合同ワークショップの試み」
「内視鏡関連手技における抗血栓薬のマネジメント」
生検、EMR, ESD施行前に抗凝固薬、抗血小板薬をどうするかという問題。結局は原疾患や内視鏡手技から、ケースバイケースで抗凝固薬をどの程度休薬するのか、決めることになるんだろうが。

「大腸内視鏡における安全・危機管理の実際」
「消化器内視鏡センターにおける内視鏡医教育とリスクマネージメント」
大腸内視鏡医の教育・育成についての発表。検査での穿孔症例がなかなか減らないのは、いかに大腸内視鏡をやっちゃいけない医者が現場で内視鏡をやっているかの現れであろう。

「大腸内視鏡検査におけるAir/CO2使用の前向き臨床試験の検討」
今度は検査後の苦痛を軽減する試みで、通常の空気ではなく、速やかに吸収されるCO2を送気することで、検査後の腹満を少なくしようというもの。CO2群がAir群と比べても遜色無く、安全に検査ができると言う結論は非常に心強い。

ほか、ESDにおける麻酔4演題。興味ないので割愛。

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2008.08.29 03:31 |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 3

A新聞の私の視点

8/28A新聞私の視点に鳥集徹という人物の
大野病院事件「産科医無罪」で終わるな
という文章が掲載された。

内容は言わずもがな。
最初から大野病院事件を医療事故と決めつけた上で論理が展開されている。遺族を被害者側と何度も書いていることから、一応医師側とは書いてあるものの、医師を加害者と考えているのは間違いない。無罪判決が出た後にも関わらず。

面白いもので、その隣のページの声欄に「癒着胎盤処置私も経験した」という27歳主婦の方の投稿があり、「ご遺族のお気持ちは理解できるが、標準的な医療をしたとされる医師に過失はなかったのではないだろうか。」とお書きになっている。

ジャーナリストを名乗るのであれば、常に公平な立場に立って論理展開するのが当然であろう。無理矢理医療事故に仕立てて、加害者と被害者という構図にした方が新聞・雑誌が売れるのかもしれないが、それならばジャーナリストという看板を下ろせと言いたい。

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2008.06.25 18:09 |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 4

微量採血用穿刺器具:施設名公表

本県において微量採血用穿刺器具(針周辺部分がディスポでないもの)を使い回した施設と使用時期が県のホームページで公表された。
のみならず、A日新聞にも掲載された。

針を使い回した施設はひとつもなく
患者ひとりひとりの把握が困難なため
施設名と使用時期を公表することで
こころあたりのある人が医療機関や保健所で
健康相談を受けることができるようにと
考えての措置である。

しかし新聞購読者の多くが
ペナルティによる医療機関の公表と
誤解してもおかしくない。

ヒヤリ・ハットの自己報告は
なぜそのような事例が起きてしまったのか検討し
今後の再発を予防すること
被害を被った人がいるのならば
きちんと対応・救済することが主目的で
決してヒヤリ・ハットを起こした個人の
責任追及・懲罰が目的ではない。

今回名前が出た施設は
名前が公表されることを知りながら
きちんと調査を行い
しっかり報告義務を果たした
信頼できる医療機関である。

どこぞの公共放送のインサイダー取引のごとく
本人に罪の意識のかけらも無く
証拠隠滅を図ったり
氏名公表に抵抗したり
調査にすら応じなかったりといった
モラルの無い連中とは違うのである。

今回公表された施設に対して
見当違いの誹謗・中傷など行われないよう
強く希望する。

一方、メーカーはというと
相変わらず厚労省の指導通りに
使い回しをしないように医療機関に
注意喚起を行って来た、の一点張りである。

ならば本来外来で不特定多数の患者への使用が禁止された
自社製品を
「そのような目的では使用しないでください」
ではなく
「血が付いたらアルコールで拭いて使ってください」
とか
「先端キャップも使い捨てにして使用を続けてください」
などと説明に来たあの社員は一体何なのか?

相次ぐ食品偽装では
当初は社員が勝手にやったとごまかしても
結局は社長命令で行われていた事実が
次々と明るみに出ている。

これだけ全国的にたくさんの医療機関が
誤った使用を行っていた事実は
ひとり、ふたりの不心得者の社員が
自分の成績を上げるために個人的に行っていたとは
到底思えないのである。

医療機関側は自己調査を行い
しっかり報告を出して来た。
今度はメーカーがきちんと社内調査を行い
違法な販売の指示は無かったのか
今こそしっかり公表しないのであれば
二度と汚名をそそぐことはかなわないであろう。

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微量採血用穿刺器具は血糖値を迅速に測る目的で
本邦では平成9年1月に発売開始された。

その種類には
1器具全体がディスポである:
 1回使用ごとに全部廃棄・交換
2針周辺部分がディスポである:
 針と周辺部分を1回使用ごとに廃棄・交換
 本体は複数患者に使用可能
3針周辺部分がディスポでない:
 針のみ1回使用ごとに廃棄・交換
 周辺部分・本体は繰り返し使用のため
 個人の自己血糖測定に使用
の3種類がある。
 
つまりタイプ3の器具は当初から
インスリン治療している糖尿病患者が
自分個人で使うことを想定して作られたもので
使用上の注意にも
「複数の方との共用はしないこと(感染事故防止のため)」
という文章が記載されている。(平成18年改定前)

さらに平成17年11月にイギリスで
タイプ3の器具を使用した介護施設において
B型肝炎が発生したとする発表があったことで
平成18年3月に本邦でも使用上の注意の項目に
「患者個人の使用に限り、複数の患者に使用しないこと」
が新規追記された。

今回の騒動の発端となった島根のクリニックでは
器具の使い方もよくわからず
針の交換すらしていなかった。
これは全くの論外で、十分反省していただくほかない。

ところがその後の調査で
さすがに針を交換していないところは無かったが
多くの医療機関がタイプ3の器具を
不特定多数の外来・入院患者や
健康教室等のイベント参加者に
使い回ししている実態が明らかになった。

周辺部分をアルコール消毒して使ったと
言い訳している医療機関があるが
アルコールで肝炎ウイルスが不活化されないことは
医療従事者なら当然知っておくべき事実で
何の弁明にもならない。

しかしこれだけ多くの医療機関が
タイプ3の器具を個人による自己血糖測定以外の
誤った目的で使用していたという事実は
紛れも無くメーカーが

**********************
間違った情報を医療機関に提供して
自社製品の販売促進を行った
**********************

と断言せざるを得ない。

今回の一連の報道ではメーカーは一貫して
悪いのは使用法を誤った無知な医療機関
器具を使い回したモラルの低い医療機関
という態度をとっている。

もしこのままメーカーが知らぬ顔を押し通すつもりなら
断固として戦う用意がある。

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2008.03.29 03:48 |  診療  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 2

大腸穿孔を苦に自殺?

長時間労働とストレスから鬱病を発症し、自殺した外科医が労災認定されたという報道があった。38歳という働き盛りでの死に対し、心からお悔やみ申し上げたい。

ただ、そのストレスの原因が2年間に2回、大腸内視鏡による穿孔を起こし、上司に叱責されたこと、という部分がひっかかった。

厳しい言い方になるが、2年間で2度も穿孔を起こすということはきわめて異例の高い確率であり、この医師は大腸内視鏡について正規のトレーニングを受けていなかったものと推察される。

青戸病院事件以来、内視鏡手術については医師の育成システムが取り沙汰されるようになった。しかし胃や大腸のルーチン検査については、医師免許さえあればきちんとトレーニングを受けていない者がやっても何ら罰則規定は無く、毎日日本のどこかで穿孔が起きているといった燦々たる状況である。

現在総合病院では、内視鏡を含めた術前検査は内科医が、手術は外科医が担当するといった役割分担がなされていることがほとんどと思われる。そのように勤務医時代にほとんど内視鏡経験の無い外科医が、開業した途端に自院で内視鏡を始めるケースが、自分の周囲でも後を絶たない。

やったことのない糖尿病等の治療を外科系開業医が見よう見まねで行っているのも問題と言えば問題ではあるが、いろんな文献に目を通して勉強していただければできないことはない。しかし内視鏡技術は本を読んだだけでは習得できないのだ。

亡くなられたドクターにはお気の毒だが、正規のトレーニングを受けていない医師の内視鏡検査で腸に穴をあけられた患者さんの方がもっとお気の毒であるということを決して忘れてはならない。

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高校野球も決勝を残すのみ。
高校野球では投手がデッドボールを与えると、
帽子を取って打者に謝るのが一般的だ。
しかし、一生懸命勝負に行った結果、たまたま打者に当たってしまっただけだから、
謝る必要はないという考え方もあり、実際生活のかかったプロ野球では謝るシーンは皆無である。
それどころか、大リーグでは報復のための意図的デッドボールが日常茶飯事だったりする。


先日、風邪をひいた女子中学生が父親同伴で外来にやってきた。

体温計を渡すと、体温計を腋窩に入れたままトイレに行って
体温計を便器の中に落とし、しかも水を流してしまったので
なくしてしまったと受付の職員に言ってきた。

連れの父親も「わざとやったんじゃないから」の一言だけで、
詫びのひとつもなし。

診察も終わって会計の際に体温計の料金も請求したところ、
「わざとじゃないのに、何で払わなきゃならないんだっ!」と
父親が怒鳴り散らして行った。
体温計だって買えば2000円以上するし、
なくなればこちらの業務にも支障が出るのである。

本人が一言でも謝罪の言葉を述べるか、
あるいは病院の物品を紛失してあっけらかんとしている子供に対して、親が謝罪する姿を見せて一般社会の常識を教えたならば、
こちらも「今度から気をつけてね」程度で済ませて、
料金を請求するまでには至らなかったであろう。


大野病院の医師逮捕は大きな波紋を呼んだ。
手術中に判断の誤りや技術の未熟さはあったかもしれない。
でも根底には目の前の患者を何とかして救いたいという
強い意志があったことを私は信じている。

あの青戸病院泌尿器科のバカ医者どもでさえ
、患者を最初から殺すつもりで執刀したわけではあるまい。

明確な殺意を持って凶器を用意し、
周到な計画の下に遂行された殺人と、
根底には善意のある医療過誤を
同一のものと考える最近の風潮には背筋が寒くなる。


とはいえ、わざとじゃないから医療過誤で謝る必要は無い
などと言うつもりも無い。

わざとじゃないから謝らない、
法律に則っているから領収書を提出しない、
といったことが横行する今の世の中こそ、
人としてのモラルが問われるのだ。

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2006.07.01 20:25 |  開業 / 病院経営  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

内視鏡の感染対策

消化管内視鏡はSpauldingの分類では「やや危険な器具」に分類され、一般細菌はもちろんのこと、結核菌、芽胞菌、HIV, HBV, HCVなどあらゆる微生物を殺滅させる高レベル消毒が必要とされている。

内視鏡生検鉗子は「危険な器具」に分類され、再処理に際しては滅菌が要求される。しかし検査を受ける側からすれば、ディスポの生検鉗子を使って欲しいと考えるのは、ごく当たり前の要求であろう。

しかし内視鏡学会のアンケートを見ると、内視鏡指導施設に認定されている医療機関であっても生検鉗子を再使用しているところが多く、中にはディスポ鉗子を再使用していると堂々と回答する医療機関さえあった。

 

内視鏡はさすがに使い捨ては出来ないので、高レベル消毒を施すことになるが、長い間内視鏡学会が唯一ガイドラインとして認めてきたグルタラールはその毒性の強さから医療従事者の健康を損なう恐れが懸念されてきたし、フタラール過酢酸についても毒性の問題、コストの問題は相変わらず解決されていない。低コストで毒性も少ない酸性水は結核菌や芽胞菌の殺菌に一抹の不安が残り、内視鏡の腐食作用もある。

 

それでもとにかく内視鏡の消毒は必ずやらなければならないのである。しかし診療報酬はそのコストを認めず、全額医療機関に押し付けてきた。

小泉改革など、医療に関しては高齢者の負担をただ増やしただけで、抜本的な医療改革は何も行われていない。今回の判例で国民の目が医原性の微生物感染に向けられたにも関わらず、政府が院内感染対策に本腰を入れないとすれば 、政治家は本当にクズである。

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2006.06.24 17:53 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

院内感染対策とコスト

予防接種によるB型肝炎感染、血液製剤によるC型肝炎感染、今月相次いで国の責任を認める判決が出た。予防接種に関しては1988年まで、針はさすがに使い捨てにしていたが、注射器は使い回しをしていたとのこと。

新卒研修医だった1984年、大学病院の注射器は既にほぼディスポシリンジに置き変わっていて、唯一ガラス筒を使用していた動脈血ガス採血にもディスポ製品が出回りつつあった。

以前述べたように、さっさと大学に見切りをつけて、翌年院外研修先に選んだ市立病院は、いまだにガラス筒を何度も滅菌して(さすがに使い回しは無かったが)再使用していた。

大学での習慣が身に付いていたので、隅の方に申し訳程度に置かれていたディスポシリンジばかり使っていたら、ある日病棟の看護主任にこう言われた。

「先生、なるべくガラス筒使ってくれない?ディスポ使うと私たちが上の人から怒られるんです」 

医療の「い」も知らず、収支決算にしか興味の無い人間に大きな権限を与え過ぎるとこんな病院になってしまう。個々の医療機関にとどまらず、今や国家の医療政策そのものがこんな風潮である。村上ファンドで儲けようと目論む政治家はいても、今回の判決を受けて院内感染対策に本気で取り組もうという政治家なんか居やしない。

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2006.06.17 18:53 |  診療  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

医師の裁量権乱用

最終的に治療方針を決めるのが患者さん自身とは言え、そこは知識も経験も乏しい悲しさ、大抵の場合、主治医が勧める検査・治療をそのまま受け入れることになるので、医師の裁量権が大きく物を言ってくる。

客観的に治療法を選択しているつもりでも、外科医はやはり手術をやりたがるし、昨今は特に内視鏡手術をやりたがる。循環器内科医はバイパス術より、カテーテル治療を選びたがる。

世間にはまさに出来高払いの権化とも言うべき医者が存在する。頭痛を主訴に来院した患者に、「大腸癌の脳転移かもしれない」と大腸検査を勧めた、なんて逸話を耳にしたこともある。ただ、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、そのうち1回でも癌が見つかれば、患者さんからはえらく感謝される。

青戸病院事件のような事態から患者さんを守るためには、医師が裁量権を乱用しないような、何らかの歯止めが必要と思うが、ロビン・クックが描いたような、医師の裁量権が保険会社によって駆逐された社会もまっぴらである。

10年ほど前、内視鏡を勉強しに来た外科系の医者が、「まず内視鏡でポリペクトミーをやって、穿孔でもすれば開腹手術も出来て、一粒で2度おいしい」などとほざいていたが、たとえ冗談であってもこのようなモラルの無い発言をする輩を内視鏡から遠ざけることが、医療事故を未然に防ぐ第一歩であろう。 

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2006.06.16 20:07 |  診療  |  医療事故  |  scatterbrain  | 推薦数 : 3

青戸病院判決は他人事にあらず

青戸病院の医師3人に執行猶予付ながら有罪判決が出た。全く妥当な判決で(実刑でも良かった?)、このブログで彼らを弁護する気など毛頭ない。

ただ、「男はパンツを見たい生き物」という藪本雅子の言葉を借りれば、「医者は新しい技術を習得したい、新しい治療法を試みたい生き物」と言えるのではなかろうか。

私の専門の大腸内視鏡で言うならば、新人の教育は上級医の検査の見学のみ、上級医が挿入したあとの抜去のみといった段階を踏んで、ようやく挿入を許可されることになる。

最初は直腸S状部の屈曲を超えることも出来ず、制限時間が来たら上級医に肩を叩かれ、「ハイ、交代」となる。その後、SD、脾弯曲、肝弯曲と一人で挿入できる範囲は広がって行くが、時間内に超えられなければやはり上級医に交代することで、研修医を育てつつ、患者さんの苦痛も必要最小限に抑えることが出来る。

しかし、全ての医療機関がこのような確立された教育法を実践しているわけではなく、胃内視鏡もろくにできない医者に大腸内視鏡をやらせている病院を多数知っている。

口から内視鏡を挿入して、食道ではなく、鼻腔の方に内視鏡を入れようとしている医者、食道胃接合部通過後に穹窿部に迷い混んで、10分以上もそこで悪戦苦闘して胃体部に内視鏡を進められない医者など、目を覆いたくなるような惨状を何度となく目の当たりにした。

検査をやっている医者は夢中になって、1時間近くも大腸内視鏡をやっている場合がある。検査だから手術と違って長時間やっても失血死にはならないが、状況は青戸病院事件と大差ない。優れた大腸内視鏡医とは、盲腸到達率が高い医者でも、盲腸到達時間が短い医者でも無く、現在の状況と自分の力量から適切な撤退時期を判断できる医者である。 

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