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高校野球も決勝を残すのみ。
高校野球では投手がデッドボールを与えると、
帽子を取って打者に謝るのが一般的だ。
しかし、一生懸命勝負に行った結果、たまたま打者に当たってしまっただけだから、
謝る必要はないという考え方もあり、実際生活のかかったプロ野球では謝るシーンは皆無である。
それどころか、大リーグでは報復のための意図的デッドボールが日常茶飯事だったりする。


先日、風邪をひいた女子中学生が父親同伴で外来にやってきた。

体温計を渡すと、体温計を腋窩に入れたままトイレに行って
体温計を便器の中に落とし、しかも水を流してしまったので
なくしてしまったと受付の職員に言ってきた。

連れの父親も「わざとやったんじゃないから」の一言だけで、
詫びのひとつもなし。

診察も終わって会計の際に体温計の料金も請求したところ、
「わざとじゃないのに、何で払わなきゃならないんだっ!」と
父親が怒鳴り散らして行った。
体温計だって買えば2000円以上するし、
なくなればこちらの業務にも支障が出るのである。

本人が一言でも謝罪の言葉を述べるか、
あるいは病院の物品を紛失してあっけらかんとしている子供に対して、親が謝罪する姿を見せて一般社会の常識を教えたならば、
こちらも「今度から気をつけてね」程度で済ませて、
料金を請求するまでには至らなかったであろう。


大野病院の医師逮捕は大きな波紋を呼んだ。
手術中に判断の誤りや技術の未熟さはあったかもしれない。
でも根底には目の前の患者を何とかして救いたいという
強い意志があったことを私は信じている。

あの青戸病院泌尿器科のバカ医者どもでさえ
、患者を最初から殺すつもりで執刀したわけではあるまい。

明確な殺意を持って凶器を用意し、
周到な計画の下に遂行された殺人と、
根底には善意のある医療過誤を
同一のものと考える最近の風潮には背筋が寒くなる。


とはいえ、わざとじゃないから医療過誤で謝る必要は無い
などと言うつもりも無い。

わざとじゃないから謝らない、
法律に則っているから領収書を提出しない、
といったことが横行する今の世の中こそ、
人としてのモラルが問われるのだ。

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