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2006.10.24 20:35 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

DDW-J速報その9

学会4日目の午後、最後のシンポジウムは「大腸早期癌の深達度診断の進歩」。司会の一人が工藤さんで、演題もズラリと拡大内視鏡によるpit pattern診断が並ぶという、午前中のがん検診とは正反対の超マニアックな会である。

 

大腸sm癌をEMR/ESDするか、リンパ節郭清も含めて開腹/腹腔鏡手術に回すかを決めるのは時として非常に難しいことがある。

従来言われてきたのは、EMRをして切除断端陽性、脈管侵襲、未分化癌のいずれかがあったら追加切除を検討するということであった。さらにsm1, 2, 3という概念を経て、垂直浸潤距離が1,000ミクロン以上であれば追加切除という考え方が登場し、本シンポの冒頭で味岡さんから基調講演がなされた。

 

昭和、久留米、高知、広島、拡大大好き人間が居並ぶ中、亀田の盟友、津田君の「基本は通常観察。緊満感や硬化像、皺襞集中所見に台状挙上といった伸展不良所見を見逃さないこと」という発表はまさに胸のすくような正論であり、拍手喝采である。

 

また、これまで我々は生食を局注して腫瘍が浮けば(non-lifting sign陰性)EMRを試みてきたが、女子医の発表はnon-lifting signとsm垂直浸潤距離について考察しており、腫瘍が浮いても浸潤距離が1,000ミクロンを超えているものが多いという興味深いデータが発表された。

 

面白かったのは工藤さんに次いで拡大に熱心な久留米の鶴田さん(亀田の先輩)のところが、拡大より通常観察の方が正診率が高いと発表したこと。工藤さんは「聞き捨てならん」と気色ばんでいたが、相変わらず困った御仁である。

 

最後に本シンポの司会の一人である味岡さんから、「臨床のドクターはまず臨床の仕事をしっかりおやり下さい。病理学的な仕事はわれわれがサポートしますから」という涙が出るほど暖かいお言葉を頂戴し、学会場をあとにしたのだった。

 

DDW-J速報 完 

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2006.10.23 20:37 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その8

Lieberman先生の招待講演の余韻を残しつつ向かったランチョン会場は、午後から技師会会場になることもあり、あろうことか長蛇の列。たまたま好天だったから良かったものの、行列最後尾は建物の外に延びていた。

 

ランチョンは亀田の後輩、現在売り出し中の岩田健太郎君による「内視鏡でうつる感染症」。技師さんたちも多数参加しているので、日頃内視鏡洗浄・消毒業務に携わっている彼女らにはぴったりのセミナーか。

 

内容の方は、ガイドライン通りに洗浄・消毒していれば、そんなに心配いりませんよ、ちゃんと内視鏡を乾燥させないと水の好きなセラチア、緑膿菌なんかに汚染されますよ、といったごく常識的な内容。J&Jが共催だったので、デンタル・フロスが無料で貰えたのが最大の収穫か?

海鮮弁当でお腹を満たし、いよいよ本学会最後のシンポジウムへ。

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2006.10.22 18:56 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その7

何となく消化不良気味だったパネル・ディスカッションに続いて行われたのが、オレゴン大学のLieberman先生の招待講演「Colon Cancer Screening in the United States」。

 

いやあ、これは素晴らしい。目の覚めるようなノイエスこそ何も無いものの、この講演を聞けば大腸がん検診の全てがわかると言っても過言ではない。

便潜血、S状結腸鏡、大腸内視鏡、CT colonographyについて、非常にクリアカットにお話いただき、最近の米国の傾向として、便潜血検査数が減少して内視鏡が増加しているといった興味深い事実も知ることが出来た。

 

我が国の消化器病学は、早期胃癌研究会に代表されるように、とかく小さい癌を如何に発見するかといったことに終始しがちである。今回の学会にやって来た若い医者のほとんどは、拡大内視鏡を使った診断学や、ESDなどの新しい治療法を勉強しに来たのだろう。それはそれで構わないが、木を見て森を見ずということになってはいないか、患者の命を救うための検査なのか、小さな癌の綺麗な写真を撮って自己満足に浸りたいのか、そのあたりは常に念頭に置くべきではなかろうか。 

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2006.10.22 18:27 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その6

ということで、大腸がん検診のパネル・ディスカッションは遺伝子などを調べる新しい検便、注腸、内視鏡、PET-CT、カプセル内視鏡などの立場から7演題。内視鏡の立場から発表予定だった国立がんセンターの演題が取り下げになっているのは、何たることか。

 

大腸がん検診の目標を転移が起きる前の進行がんの発見に定めるのであれば、一次スクリーニングにおける検便の立場は多くのエビデンスもあり、揺るぎないものである。

 

丸山雅一さんのようにsm癌を検診のターゲットにすべきといった過激な意見を持つ人たちは、より診断精度の高い検査を検診に導入することになるが、現在最も診断精度が高いのが内視鏡であることは異論のないところであろう。

大腸がん二次検査を原則として大腸内視鏡とした経緯についても、かなり精度の高い注腸撮影を行っている施設においてもがんが見逃されたためと、斎藤博氏は述べていた。 

 

注腸と内視鏡の比較は古くて新しいテーマであり、内視鏡も屈曲部には盲点があるので、注腸サイドからの力強い発表を期待したが、がん発見率などのデータ発表は一切なく、残念ながら議論のスタートラインにも立てないような発表で終わってしまった。6割強の被検者に注腸の方が楽と回答されてしまったT大の内視鏡医には、もっとしっかりせいと言いたい。

 

その他の検査についても、カプセル内視鏡はカプセルが大腸まで届かないとあっては問題外で、PET-CTもデータ集積不十分、virtual endoscopyは発表無し、ということで、まだまだがん検診への利用は遠いことを思い知らされた。 

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2006.10.21 20:33 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その5

学会最終日は札幌駅からツアー客が次から次へと溢れ出してきて、コンベンションホール行きのシャトルバスが待てど暮せど姿を見せず、諦めて地下鉄で東札幌駅まで行き、そこからシャトルバスで会場に到着。

結局は予定より早く到着し、ランチョンの整理券を無事入手したあとに、午前中は大腸がん検診についてのパネル・ディスカッション、特別講演、招待講演を拝聴する。

 

まずは免疫学的便潜血の生みの親、斎藤博氏の「消化器がん検診の戦略」。一言で言うと、「正しいことを正しい方法で行う」ということだが、これがなかなか難しい。なぜ難しいかはこの特別講演に引き続いて行われたパネル・ディスカッションでも明らかになるのだが・・・

 

それと斎藤さんの「病気の発見率が高いことが死亡率を低下させるエビデンスにはならない」という主張も難解。費用対効果の面で、内視鏡はがん発見率は高いが偶発症により受診者が不利益を被る可能性があるので検診には使えないというのならわかるが、胃がん検診においてX線は死亡率を下げるエビデンスがあり、内視鏡には無いと言うのは、はっきり言って納得できない。

内視鏡のエビデンスについてはさらに検討が必要との補足説明はあったけどね。

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2006.10.19 17:32 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

DDW-J速報その4

学会3日目もつつがなく終了・・・の時間であったが、O社共催のサテライトシンポ「消化器内視鏡治療における飽くなき挑戦」を聴こうと集まった人たちで、1600席ある大ホールはほぼ満席状態。

 

内容は主としてNBI(narrow band image)と拡大内視鏡で下咽頭〜食道癌を診断しようというもの。さらには胃癌、大腸癌まで適応を広げてというわけで、その道のスペシャリスト5名の名人芸をビデオで鑑賞することになる。

 

私も消化管内視鏡を始めて20年以上経つが、佐久総合の小山さんのビデオなどはまるで別世界・異次元の出来事のように感じられた。K教授が「神の目を持つ男」(アホくさ)ならば、さしずめ小山さんは「鬼神の目を持つ男」といったところか。

 

学会から戻り、再び拡大もNBIもない世界で診療を行っているが、何を見ても癌に見えてしまう「逆ガン・ノイローゼ」にかかっているのは私だけか? とにかくインジゴを撒く回数がやたらと増えたのは確かである。

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2006.10.18 21:02 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その3

学会3日目午後はめぼしい発表もなく、第一会場の札幌コンベンションセンターを出て、第二会場の道立総合体育センター(きたえーる)に移動し、商業展示とポスター発表を見る。

 

商業展示が行われているメインアリーナに入ると、すぐF社のブースあり。経鼻内視鏡ではO社に比べて一日の長があるだけに、とにかく経鼻内視鏡を数台並べて強力にアピール。

自動洗浄器や電気メス、カプセル内視鏡などのブースを経て、会場奥にはO社の巨大ブースが・・・他のブースがまるで引き立て役に見えてしまう恐ろしさ。

F社に負けじとブース左は経鼻内視鏡のほか、経口でも使える5mmの内視鏡を展示。ブース右にはこちらも本学会の目玉、特殊光特にNBIを特集。中央には「神の目を持つ男」K教授のデモ画像が巨大スクリーンに映し出されている。

 

次にポスター会場に入るが、いやはや何とも狭い。とても自由に歩いて見て回れない。日本の学会の場合、座長がいて、演者がいて、演題発表と質疑応答が行われるが、米国のDDWみたいに2時間程度自由に質問できるポスター発表にならないのだろうか。

ちなみに米国のDDWで発表した時は、フランスのテレビ局が「あなたの発表をニュースで放送していいか?」と聞いてきたが、日本のテレビ局で学会に取材に来るようなところは皆無である。やれ地デジだの、ワンセグだの言っても、中身の無いバラエティだけ見せられてもねぇ。

 

そんなわけでポスターを見て回るのも諦め、商業展示脇の休憩スペースでエビアンを飲みながら、次のサテライトシンポまで体力を温存するのであった。 

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2006.10.17 20:49 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その2

学会場に着いたら、何を置いてもまずランチョンセミナーの整理券をゲットせねば。技術の進歩とは凄いもので、タッチパネル操作で整理券を自動発券する端末が準備されていた。

 

しかし8時半に到着した時には、F社の「経鼻的胃内視鏡の現状と展望」、O社の 「大腸内視鏡挿入法教育を考える」は既に満席札止め。この不明朗なチケット売り切れ状態は、まるでウドー主催のコンサートチケット並みじゃないか。

 

それでも弁当確保のため、気を取り直して他のセミナーを物色。「炎症性腸疾患根治治療を考える」、おお、すげえ。病気の原因が究明されていない炎症性腸疾患に根治治療があるなんて、てなわけで、A化成さんの整理券をゲット。

 

北海道と言うことで、弁当はやたら海鮮系が多い。ただカニなんかはポロポロこぼれやすく、滅多に着ないスーツの危機が。

演題1は臨床とは全く無縁の粘膜免疫基礎研究のお話。演題2は炎症性腸疾患を上皮再生分化の観点からアプローチ。いずれも広大なロマン溢れる内容ではあったが、いかんせん、日々の臨床に即役立つ話ではなかったので、弁当の消化のために一時的に虚血状態となった脳細胞は、やがて眠りへと誘われるのであった。 

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2006.10.17 00:04 |  研究  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

DDW-J速報その1

前夜劇的なサヨナラで日本ハムがリーグ優勝を決めた札幌。

思い切ってクリニックを2日完全に閉めて、学会3日目から参加。午前中はシンポジウム「Screening endoscopyにおける偶発症とその対策」に出席した。

 

10施設からの発表に追加発言2つ、特別発言1つの合計13演題。内訳は内視鏡システム関連が3演題、生検後出血1演題、旬な話題提供として経鼻内視鏡関連4演題、前投薬関連3演題、判例から見た内視鏡偶発症1演題。

 

実際に内視鏡をやる立場からすると、一人の患者から複数個の組織を採取した場合、どこから何個取ったのかの記憶が曖昧になることもあり、生検をとるたびにタッチパネル操作で生検部位をマークして、ラベル発行するシステムの開発は興味を引かれた。

 

困るのは経鼻内視鏡に関する発表。経口内視鏡に比べてとにかく楽だ、安全だと自慢する内容のものが多い。鼻腔の麻酔が必要である以上、アナフィラキシー・ショックや麻酔薬中毒の危険は経口内視鏡と同様に存在するし、鼻腔の狭い症例では内視鏡が挿入できないケースも少なからずあるはずなのだが。経鼻の方が早期癌発見率が高いという主旨の発表に対しては、さすがにフロアからブーイングの嵐となった。 

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