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2006.07.26 20:05 |  診療  |  scatterbrain  | 推薦数 : 2

胃癌手術の基本事項確認

王監督が胃癌手術を受けたことで、各方面で胃癌手術に対する関心が高まっている。どこぞの三流週刊誌のように、当事者でもないのに「あれは早期癌じゃない」とか「腹腔鏡手術をすべきでない」など、興味本位の無責任な発言をするのは医師として慎みたい。ここではあくまで一般論としての胃癌手術について基本事項の確認を行うことにする。

 

「早期癌で胃全摘するのはおかしいのか? 」

そんなことは全くない。消化管の手術とは患部を切除して正常部を吻合し、食物が無事に通過するように新しく通り道を作ることである。 これを「再建」と呼ぶ。全摘か、亜全摘か、幽門側切除かの決定は、癌の進行度よりも専らこの再建をどうするかによる。病変が前庭部にあれば進行癌であっても前庭部の部分切除で済むが、病変が噴門付近に存在する場合は早期癌でも全摘になってしまう。それは噴門部だけを切除して残胃と食道を吻合すると、術後にしばしば重篤な逆流性食道炎が生じて、患者のQOLが著しく低下するためである。ちなみに直腸癌が人工肛門になるのも進行癌だからではなく、場所が肛門に近いためである。

 

「早期癌のほとんどは内視鏡治療で治療できるのか?」

ここで言う内視鏡は主に内科医が行っている通称「胃カメラ」のことで、腹腔鏡は含んでいない。腹腔鏡手術にしろ、古典的開腹手術にしろ、それを行うのは外科医である。一方内科医が行うのが内視鏡的粘膜切除術(EMR)や内視鏡的粘膜下切開剥離法(ESD) になる。特に近年ESDの普及が目覚ましく、内科と外科の境界が曖昧にはなってきている。深達度がsm2以深の癌であればリンパ節転移の確率が飛躍的に上昇するため、内科医は外科医に治療を依頼することになる。内視鏡治療で完治できる胃癌はまだまだ少ない。

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