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最終的に治療方針を決めるのが患者さん自身とは言え、そこは知識も経験も乏しい悲しさ、大抵の場合、主治医が勧める検査・治療をそのまま受け入れることになるので、医師の裁量権が大きく物を言ってくる。
客観的に治療法を選択しているつもりでも、外科医はやはり手術をやりたがるし、昨今は特に内視鏡手術をやりたがる。循環器内科医はバイパス術より、カテーテル治療を選びたがる。
世間にはまさに出来高払いの権化とも言うべき医者が存在する。頭痛を主訴に来院した患者に、「大腸癌の脳転移かもしれない」と大腸検査を勧めた、なんて逸話を耳にしたこともある。ただ、下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、そのうち1回でも癌が見つかれば、患者さんからはえらく感謝される。
青戸病院事件のような事態から患者さんを守るためには、医師が裁量権を乱用しないような、何らかの歯止めが必要と思うが、ロビン・クックが描いたような、医師の裁量権が保険会社によって駆逐された社会もまっぴらである。
10年ほど前、内視鏡を勉強しに来た外科系の医者が、「まず内視鏡でポリペクトミーをやって、穿孔でもすれば開腹手術も出来て、一粒で2度おいしい」などとほざいていたが、たとえ冗談であってもこのようなモラルの無い発言をする輩を内視鏡から遠ざけることが、医療事故を未然に防ぐ第一歩であろう。
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