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< ビリー・プレストン逝く | メイン | 重患尻目に定時の御帰還 >
2006.06.08 16:26 |  診療  |  scatterbrain  | 推薦数 : 1

経口洗腸液使用のデタラメ

経口洗腸液が登場して二十余年、今では大腸内視鏡前処置の前処置としてほぼ全例に行われているにもかかわらず、医療従事者が正しい知識を持ち合わせずに不適切な使用が続いていることは大変遺憾である。

私が経口洗腸液を使用し始めた1987年当時、まだ保険収載されておらず、ゴライテリーと呼ばれていた。研修医が調剤して患者さんに飲ませていたので、患者さんは医療機関来院後に医師や看護師の観察下に飲用していた。

90年代に入り、ニフレックという商品名で保険収載され、全国の一般病院に広く普及して行った。しかし販売メーカーが充分な薬剤情報を提供するのを怠り、医療機関も経口洗腸液について無知なまま、勝手に自分たちの都合のいいように使用方法をねじ曲げたため、遂には死亡事故が何例も報告される事態に至ってしまった。

私が勤務していた病院は年間の大腸内視鏡件数が約8,000例、その半数は人間ドックでの検査だったが、全例病院来院後に経口洗腸液を飲んでもらっていた。開業して驚いたのが、あらかじめ経口洗腸液を患者さんに渡して、「自宅で勝手に飲んで、排液がきれいになったら来院して下さい」と説明している医療機関の何と多いこと!

そりゃ、自宅で飲んできてもらえば、必要充分な数のトイレを自院に準備する必要も無いし、患者さんを観察して状態を把握する手間も省けるが、それは正当な業務の放棄、手抜き以外の何物でもないだろう。自宅で経口洗腸液を飲んで具合が悪くなった場合、裁判でも起こされれば100%医療機関側の敗訴になる。

やれ、拡大観察だ、ESDだ、NBIだの立派なことを言う以前に、検査前処置の本当に基本的な部分が遵守されず、患者さんの検査リスクが高まったままの現況で、今世紀急増している大腸癌対策などとれるはずがないと考える。

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