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2006.06.05 21:45 |  診療  |  scatterbrain  | 推薦数 : 0

美技全てがベストにあらず

国内外の野球もたけなわ、外野手がダイビングやスライディングキャッチに成功すると、アナウンサーが一様に「ファーインプレー!!」と絶叫します。視聴者には確かに魅力的なプレーですが、選手側から見れば、スタートを間違えたり遅れたりして、本来楽に追いつくボールにダイビングせざるを得なかったなんてことも多数あるわけです。一昔前の阪急や広島の外野は凄かったけど、観客から見ると全てがイージーフライを捕球しているように見えて、人気は今ひとつでした。

もう10年近く前になりますか、救急外来の様子をレポートするありふれた企画のテレビ番組で、食道静脈瘤破裂の患者を治療するふたつの施設の治療の様子が放映されました。

ひとつは泣く子も黙る救急医療の代名詞、N医救急外来。たくさんのドクター、ナースが入り乱れて、輸血、輸液、昇圧剤を次々に行っている映像。 視聴者はまさにハラハラ、ドキドキ。

もうひとつはドクターひとり、ナースひとりだけの内視鏡室。「じゃ、やりますよ」何とも緊張感のない声で内視鏡が挿入され、静脈瘤を結紮して「終わりましたよ」・・・何のドラマもない、淡々とした退屈な映像。 

しかしながら患者さんにとってどちらがファインプレーかというと、明らかに後者の方です。出血部位をほったらかしていくら輸血や輸液を入れたって、ざるに水を溜めるようなものですからね。 

我々内科の治療は外科や救急科に比べると遥かに地味で退屈に見えますが、決して劣ることは無いと信じています。 

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