皆さん、しばらくUPしないで申し訳ありませんでした。

7月10日のレセプト提出後、ボク自身、体調を崩してしまいました。

でも、だんだん戻ってまいりましたので、また、書いていこうと思います。

 

ということで、本日は、ある性風俗で働くある女の子が、うちのクリニックに来院し、

どのように病気と戦っているかをレポートします。

 

彼女は22歳、ピンサロで働いている。

最初彼女が、初診でやってきたとき、「不正出血があります。」ということだったので、

排卵障害などの婦人科的な疾患に伴っての、機能性子宮出血の患者さんだとばかり思っていた。

ところが話をよく聞いてみると、初めは、はっきりとは言わなかったのだが、

「指を入れられると出血する。」とか、「だんだんおりものが変になってきた。」とか、

「いまでは痛くてたまらないのに、仕事に行かなくてはいけない。」というように、 

話をしていくうちに、彼女がコマーシャルセックスワーカーであり、そのなかでも、

「ピンクサロン」いわゆる「ヒンサロ」で働いているということがわかった。

 

現在、性行為感染症に関する研究や論文で、たびたびこのコマーシャルセックスワーカー(CSW)が、

取り上げられるが、たいてい、どの職種の人が、どれぐらいの率で、どんな病気を持っているか、

というような統計ばかりが目につく。実際にボクもそういう数字を使って、患者さんに、

いかに病気が恐いとか、そのへんにごろごろしているとか、うつりやすいとか、そんな話をしているのだが、

実際に、そのCSWの子を患者さんとして迎えてみると、たいていの子は、ものすごく真剣に、

自分の仕事のことや、お金のこと、家族のこと、彼氏のこと、

子供のこと(これはいる場合に限ってだが。)

を考えていることがわかる。

そして、こういう仕事をしている自分を、どうやって病気から守るか、ということを、

本気になって考えている。ただ、自分が考えていることと、お店や、お客さんが要求することは、

必ずしも一致してはいない。

自分がいくら、「お客さんに最初からコンドームをつけてフェラチオがしたい。」といってみても、

お店側としては、「ゴムをつけずに生でフェラチオをした方が、指名が取りやすい。」などといって、

女の子の意見は、無視される場合が多い。

つまり、女の子は、コンドームをしないフェラチオを提供し、自分の口の中に、ほとんど見ず知らずの男が、

毎回毎回、精を吐き出していくのだ。

考えてもみてください。確かにお金を払って、そういったサービスを、楽しもうとする男性が

いることも事実だし、そういったお店が繁華街に乱立しているというのも紛れもない事実です。

そして、そういうお店で働いて、短時間で、同年代の女の子が、普通に稼ぐ何倍ものお金を

得たい、または得なければならない女の子がいるのも、また、事実なのです。

資本主義社会の法則でいえば、まさに需要と供給のバランスがつり合っている状態と

言えるのですが、もう一つそこに、何か、お互いの体を尊重しあう、エッセンスが加われば、

今とは違った性風俗文化として、人々に認識されるに違いないのですが。。。

 

ただ、実際はとても激しいです。

先ほどの、22歳の女の子の診察をしてみると、子宮の入口部分に子宮頸管ポリープという病変が

認められた。この病変は、通常、慢性の子宮頸管炎に続発して起こることが多い。

ただ彼女の場合、普通のものとはちょっと違っていた。

それは何かというと、比較的太い頸管ポリープの茎の部分が、半分ちぎれたようになっていて、

そこから、じんわりと出血が認められるのだ。

もちろん、普通は、自然の経過で、そのようになることはない。

おそらく、彼女が店で接客したであろう内の一人の客が、彼女に口でサービスを受けながら、

彼女の膣の中に指を入れ、その指先か、ないしは爪かで、頸管ポリープを「こさいで」しまったのだ。

 

ボクは自分で見たまま、感じたままのことを、そのまま彼女に告げた。

 

すると彼女は、自分の顔を両手で覆い、静かに泣き出したのだ。

きっと、今自分がやっているこの仕事への後悔もあったのだろうが、それと同時に、

女性の性器の一部にある、病変部でさえも、自分の快楽の標的にしてしまうという、

男という生き物のおぞましさに、怒りと恐怖を感じたのだろう。

 

『しばらくお休みした方がいいな。仕事は。』ボクは彼女に言った。

すると、涙で目を真っ赤にはらした彼女は、手で涙をぬぐいながら、こう言った。

「何日位ですか?あんまり休めないんで。」

 

逞しすぎる。。。

そうあっさりといって退けた彼女の潔さに、ボクはある意味、男らしさを感じてしまった。

と同時に、『何しろこの子を、1日も早く、完璧な状態に戻してやろう。』と、堅く心に誓うのだった。

 

<いつものように続くです。>

 

 

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