続きです。
お待たせいたしました。
他のブログの記事を書いていて、昨日は更新できませんでした。
申し訳ありませんでした。
で、さっそくいきますよ。
ボクはその時、この男の子が、まさにマスタータイプの人物であることを感じ取った。
『なにが、困っちゃったんですか?』
「あそこから膿が、ドボドボと出るんです。」
『いつからですか?』
「もう、出始めてから1週間になります。」
『なんで、すぐに来なかったの?』
「治ると思ったんです。しかも、かなり痛くなってきて。」
『もうそろそろ、限界なんだね。』
「せんせー。どうにかしてください。あうっ。」
と言いつつ彼は、ボクが、脱いで見せてくださいとも
なんとも言ってないのに、もうズボンのベルトに手をかけている。
なんとも慣れた手つきである。しかも動きに美さがある。
ボクがもし女性だったら、この動作だけで、彼にほれて
いたかもしれない。
しかも、ズボンが下におりていくのに引き続いて、彼は、
6つに割れた腹直筋の
下端をおおっている、カルバンクラインのアンダーウェアーにも手をかけた。
(なんか、官能小説みたい。)
ちょっと話はそれるが、ボクは男性の下半身を診察するとき、
大抵、看護師(ナース)に
席をはずさせるようにしているが、この時は、そう、指示する時間がなかったのもあるが、
看護師が、席をはずしていなかった。っていうか、はずそうとしていなかった。
彼女は、彼という存在に、確かにくぎ付けになっていた。
きっと、もし、この彼との出会いが、クリニックという場所でなかったのであれば、
彼女もまた、彼のハーレムに取り込まれていたかもしれない。
やがて彼は、自分の生殖器を露出させた。
かわいそうに、その尿道口からは、先ほど、診察前に採尿したのにもかかわらず、
もう、黄色の膿がにじみ出ていた。しかも大量に。
ボクはそれを見た瞬間に、『これは、淋病だよ。』と言った。
そして、『これに、クラミジアが一緒になって感染しているかは、検査してみないと
わからないけどね。』と、付け加えた。
実際に、彼の尿道から採取した分泌物を、検鏡してみると、
グラム陰性の双球菌が認められた。
(ちょっとむずかしいかな?要するに、淋菌の顕微鏡的な、見かけの特徴ね。)
『だいたい、この疾患の潜伏期は3~7日とされてるけど、症状の出るそれくらい前に、
うつるようなことはあったの?』
「思いっきり、いっぱいありました。」
『思いっきりということは、誰とか、特定できないの?』
「いっぱいいすぎて、誰とか、ぜんぜんわからないっス。」
かっこいいんだか、だらしないんだか、わからないけれども、
男だったら、一度は言ってみたいようなフレーズである。
『でもさ、わからないんだったら、全員をなおさなきゃ、君だけ治したって、またうつって、
ここに来る事になっちゃうよ。』
ボクは正論を唱えた。
「じゃ、全員と別れます。」彼はあっさりと言ってのけた。
(ちょっと、まてよー。)
それから、よくよく彼の話を聞いてわかったのだが、自分のハーレム内に、自分をうらぎって、
病気を持ち込んだ女の子がいることに、彼は、嫌悪感どころか、
憎悪の念さえ感じていた。
なんとも、自分勝手な論理なのであるが、その時彼は、真剣に、自分と関係のある
女の子全員を恨んでいるようだった。
これは、何とか説得しなければ。
彼が、女の子に対してきれてしまって、自分のハーレムを解散するのは、
全く彼の自由だ。しかし、その結果、淋菌に感染した何人もの女の子が、彼のもとを離れ、
野に放たれる。それだけは、公衆衛生学的にいっても、絶対に、防がなくてはならない。
『ちょっとまって。君は、彼女たちに怒りを感じてるみたいだけど、もし、このまま彼女たちが
放置されたら、どうなっちゃうかわかる?』
「病気のままってことっスすか?」
『もちろん、そうだし、誰か他の男性に、病気をうつしてしまうってこともある。
でも、それ以上に、彼女たち自身の身体が、病原体によって破壊されていってるって、
わかるかなぁ。』
「そうなんスか?」
『うん。淋菌というのはね、組織破壊性の強い病原体といえるよ。
例えば、病原体をやっつけて、淋病は治ったという状態になっても、女子の場合、
その後に、赤ちゃんが欲しくなって、妊娠しようとした時、卵管の通過障害から、
不妊という状態になったり、子宮外妊娠となってしまったり。あとから起こるダメージが、
かなり、シビアな問題になってくるね。』
「つまり、すぐに治療しなければならないってことっスか?」
『わかってきたみたいね。そう、彼女たちをそういった危険から救えるのは、
君しかいないんだよ。だから、女の子全員に医療機関の受診をすすめてよ。頼むよ。』
「そうだったのかー。」
彼は、自分勝手な怒りに身を任せ、一時は、すべての責任を放棄しようとしていたが、
何とか思いとどまってくれた。
そればかりか、最後は、自分の責任を強く感じてくれて、
マスターとしての自覚と誇りを、取り戻してくれた。
彼の治療は、初診時の段階では、クラミジアが否定できなかったため、
テトラサイクリン系の抗生剤の内服から開始した。48時間経てば、淋菌の培養が終了するので、
その薬剤感受性から、おのずと、至適な抗生剤が確定するだろう。
今でも、淋病のガイドラインを見ると、治療の第一選択は、抗生剤(セフェム系の注射)であるが、
淋菌の感受性まで、完全に把握し、確実に患者さんを治療からドロップアウトさせない
のであれば、経口剤による治療も可能なのに、そう決めてある。
しかも、クラミジアとの同時治療が必要である局面も、昨今多くなってきている。
(淋菌の注射剤はセフェム系で、クラミジアの経口剤はマクロライド系またはテトラサイクリン系。
見てのとおり違うものなのです。)
それなのに、淋菌は何が何でも、セフェム注っていうのもねー。
間違った抗生剤を用いず、診断、治療のスキームが出来上がっているのならば、
やり方は、いろいろあっていいと思うけど。。。まっ、いいか。
いろいろあったが、治療は順調に終了し、彼は淋病を克服した。
また、それと同時に、彼のハーレムの女の子たちの、身体的な危機も救えたと思う。
(もっと時間が経たなければ、本当はどうだったか、わからないけど。。)
それにしても、いつの世の中も、男と女っていうのは、数がだいたい同じなのにもかかわらず、
不均等に、関係を形成していくものだな。
もてるやつ(女の子も)は、徹底的 にもてる。
でも、もてないやつは、恋人なんか全然できなくて、6年ぶりにヘルスにいって、
なんかうつされてくるなんてことがあるからな。
なんか、せつないな。
これも、人類のDNAに刻まれた、弱肉強食の宿命といえるのだろうか。
ま、そんなこともさておいて、世界を救えるのは、やっぱりボクしかいないっていうことかな。
(どーして、そーなっちゃうわけ?)
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コメント一覧
でも、黄色い膿がドボドボ出てくる・・・知識がある人なら「うつったかなぁ」と思えるでしょうけれど、一般の方はものすごい恐怖に駆られたのでは?
「コンドームは必ず装着させよう」と再認識です。
かえるさんの再認識、これがとても重要なのです。
いずれ、ウィルスに話がおよんだ時、さらに実感されるでしょう。(予言!)
循環器内科医のDr. Iと申します。
私の患者さんで、尿道からそういう膿みたいのが出ていて、とりあえずクラビットを処方していたのですが。
数日して良くならないので、泌尿器科の先生に相談したら、淋病だった人がいました。
その時に淋菌の半分くらいはクラビットに耐性があるからって言われて、セフゾンか何かを処方されて良くなった記憶があるんですが。
いかがでしょうか。
本日は、続きを楽しく読ませていただきました。
もてるってのはスパイラル。
もてはじめるとつぎからつぎへと。。。。
もてないのもスパイラル。
このブログも人気がでて、人気スパイラルになりそうですね♪
結果、世界はすくわれるのです☆
実際に患者さんの淋菌を培養してみて、感受性まで見てみると、
淋菌の約80%はニューキノロンに耐性を持っていることがわかります。
また、セフジニルも比較的耐性を持っているものが多いような気がします。
ガイドラインでは、唯一の経口剤はセフィキシム(セフスパン)ですが、
クラミジアとの混合感染もあるので、これをファーストにっていうのも、
問題が残ります。まあ、つまり、混乱してるんですね。現場では。
よって、淋菌に関してはPCRによる存在診断より、培養による感受性まで含んだ
質的診断がボクは好きです。
Dr.Iさん、ロハスのフルーツ天国さんから、お噂はうかがっておりました。
お越しいただき誠に光栄です。今後ともよろしくお願いいたします。
人気が出ると、ちょっと苦しさのスパイラルも始まってきますね。
世界が救われる前に、自分がダウンしないように頑張りますよ。
http://get.nifty.com/cs/catalog/get_topics/catalog_110222000186_1.htm
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