2009.08.26 12:54 |  診療  |  医療事故  |  その他(医療関連)  |  三毛猫  | 推薦数 : 2

医者の心は揺れている。

キング・オブ・ポップスの死因は「他殺」なのだそうです。

他殺とは衝撃的でありますが、実態は日本で言うところの「業務上過失致死」。

 

マイケル・ジャクソンさんのおかかえ医師をしていたマーレー氏が、不眠症のマイケルさんに、複数の鎮静剤と麻酔薬を投与して死に至らしめた、というのです。

 

マーレー医師には多額の借金があったという話が出ており、「お金のためにマイケルさんを薬漬けにし、とうとう死なせてしまった。」と、ほぼどのメディアも結論付けたがっているようです。

 

どういう理由があったのかわかりませんが、医師が、患者さんの命にかかわるほどの薬を投与することに対しては、どんな言い訳も通りません。

それでも、私は少し、マーレー医師に同情的な気持ちがないわけではありません。

 

こんなふうに、想像してみるのです。

「先生、眠れないんだ。全然。何とかしてよ。」

「マイケル、もうすでに薬はたくさん与えたじゃないか。それ以上飲むと危険だよ。」

「眠れないぐらいなら、死んだ方がましだよ。とにかく眠らせてくれ。」

 

マイケル・ジャクソンさんは、身体のあちこちに痛みがあった、とも報じられていて、痛みのために眠れなかったのかもしれません。

あるいは、地位も名誉も得てもなお、孤独感にさいなまれていたのかもしれません。

眠っている間だけが幸福…

毎日毎日、つきっきりでマイケルさんの健康管理をしていたとすれば、マイケルさんにとって、何が最も苦痛なことか―それが眠れないということだったのではないでしょうか―マーレー医師は痛いほどわかっていたのではないか、と思うのです。

 

もしそんなふうな患者さんが目の前にいたら、医師としてどうすべきなのでしょうか。

 

医者は、患者さんを助けるために何をすればいいかを考え、それを施していく職業です。

だから、多くの医師は、患者さんを苦しめている病気をなんとか治そうとします。

考えられるあらゆる治療を施しても良くならないときほど無力感を感じるときはありません。

患者さんの苦しみと医学の限界の間に挟まれて、悩むことも少なくありません。

 

マーレー医師は、いろいろと試してみても眠りに就くことができないマイケルさんを眠らせるために、通常では考えられないような投薬をしてしまった…

結果として、マイケルさんの命を奪うことになってしまった…

真相はそんなところではないのだろうか、と考えてしまいました。

 

いやいや、やっぱりお金欲しさに、求められるまま大量の薬を投与したのだという可能性は、やっぱりあるのですが…

 

 

 

 

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2009.02.26 12:14 |  診療  |  医療事故  |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  三毛猫  | 推薦数 : 2

角膜という臓器

医学生のころ、角膜には血管が通っておらず、免疫機能が働きにくいので、角膜の感染症は治療が難しい、と習った覚えがあります。

たとえ点滴で抗生物質を投与しても、角膜まで届きにくい、と言う話でした。

抗生物質を点眼したとしても、涙ですぐに流れてしまいますし―。

 

銀座の眼科クリニックで、近視の治療手術を受けた患者さんの中に、多数の角膜感染症患者さんが出たというニュースを聞き、どきっとしました。

感染された患者さんには、一刻も早く適切な治療を受けていただいて、感染症が完治していただきたいと願います。

 

それにしても、つい数年前までは、近視の手術は近視が進まなくなる40歳以上でなければ適応がない、と聞いておりましたが、最近はそうでもなく、眼の成長が完成する20歳前後から手術適応があるのですね。

今回の角膜感染症患者さんのうち、19歳の患者さんはかなり重症で、失明の恐れもあるとメディアは報じておりました。

そんなわけないんじゃ…と思い、改めて近視のレーザー手術について調べてみましたら、技術も手術適応も、どんどん広がっていることがわかりました。

 

外科医のころは、血液や体液が眼に入らないよう、メガネを使っていましたが、その後はずっとコンタクトレンズにお世話になっています。

学生時代にも使っていたことがありました。

ハードコンタクトレンズはどうしても目が受け付けてくれず、ソフトコンタクトレンズを長く使用しています。

 

角膜の最も内側の細胞を「角膜内皮(ないひ)細胞」といいますが、やはり学生時代に、この角膜内皮細胞は再生しないのでコンタクトレンズ装用により角膜が酸欠になると、だんだん内皮細胞が減ってしまう、と教わりました。

それで、眼科ではいつも、ハードコンタクトレンズを勧められていました。

残念ながら私は、ずっとソフトコンタクトレンズでしたが。

 

今はワンデイタイプなので、それにかかる費用を考えれば、確かに手術で治るんであればそっちの方が結果的に安いし、快適なんだろうなあと思いましたが…

 

ただ、角膜という臓器は、かなりデリケートな臓器だということを考えると、ちょっと二の足を踏んでしまいます。

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