自動車産業を中心に、派遣社員との契約打ち切り、大量解雇が始まっています。
労働組合を組織して、解雇を取り消すよう求める動きが活発化してきました。
私が産業医をしているある派遣会社さん(A社)からは、産業医契約を来年の3月で終了してほしいとのお話がありました。
前にこのブログでも書きましたし、派遣労働者の2009年問題というものがようやくマスコミで取り上げられるようになりましたが、派遣社員を3年を超えて雇用し続ける場合は、契約を打ち切るか直接雇用に切り替えることが法律で義務付けられています。
直接雇用といっても、正社員とは限らず、契約社員という形でも認められます。決して条件がよくなるとは限りません。
また、なんといっても、契約を打ち切られてしまう恐れもあるのです。
そういうタイミングで、この金融危機が起こってしまいました。
A社の派遣社員も、一応派遣先の会社に契約社員として採用されるそうですが、この不景気で、はたして全員が契約社員となれるのかどうかはわからなくなってきています。
マネージャーのBさんは、とにかく健康だけは気をつけろと、派遣社員のみんなに口を酸っぱくして言っています。
不健康を理由に、直接雇用されないかもしれない―
Bさんは、そのことがとても気になるようでした。
「私がそこまで気にかけてやる必要もないんですけどね。こっちは派遣社員を根こそぎもってかれるわけですから…」
そう言って、Bさんは苦笑いしていました。
それでも、あれこれ世話をしてあげた派遣社員さんたちには愛着もあり、彼らの先行きを案じているのでしょう。
派遣社員がほとんどいなくなり、派遣業としての仕事が成り立たなくなることについて、
「これからどうなさるんですか?」
と尋ねてみたところ、
「さあ… 業種変更でもするのか…」
と言葉を濁しておられました。
もちろん、派遣会社が立ち行かなくなるという運命は、今回の金融危機とは直接関係がありません。
派遣社員が契約社員としてとられてしまうか、契約更新のならなかった派遣社員には、もう仕事が残っていないか、初めから、どちらかしかなかったのです。
新たに派遣社員を募って、派遣先を探すという方法も残ってはいますが、全国的に派遣切りが行われている状況では、それも難しいでしょう。
派遣社員の稼ぎからピンはねをしてきたと非難の対象になりがちな派遣業ですが、急に派遣社員さんがが休んだ時、仕事の穴を開けないように苦労したり、労災をおこせば、きびしく指導する一方で派遣先の会社に頭を下げたり、なかなか病院へ行かない派遣社員さんを病院へ連れて行ったり、と日常生活までいろいろ心を砕いているBさんの姿を思い浮かべると、少し割り切れない気持ちになっています。
全国にどれくらいの派遣会社があるのかわかりませんが、派遣業自体もまた、岐路に立たされているように思います。
固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
麻生総理大臣が、自分はこんなに健康管理をして健康なのに、そういうことをしない人のためになんでお金を払わんといかんのか、と、おそらくその場にいた人たちの機嫌を取るつもりもあったのか、そんな発言をしていたことが報道されました。
毎晩ホテルでお酒飲んでいても、肝機能は大丈夫なんでしょうか。
この話を耳にして、ふとサラリーマンだった父のことを思い出しました。
高校を卒業して40年間。
毎日2時間近くかけて電車通勤していた父が、いつも自分の健康維持について心がけていたことがありました。
持病で耳が悪かったので、風邪をひかないようにすること。
風邪をひくと耳の聞こえが普段以上に悪くなって、耳漏があったそうです。
だから、ちょっとでも風邪気味になると、葛根湯をよく飲んでいました。
外から帰ったら、必ずうがいと手洗いをしていました。
もう一つ、父はおなかをこわさないように、いつも用心していました。
私の母は、少々いたんだ食べ物でも、もったいないからと言って平気で食べるほうで、食べてもなんともありませんでした。そして、家族にも同じ調子で、ちょっと古い食べ物を食卓に並べることがありました。
父は、耳が悪い代わりに、目と鼻がとても敏感な人で、ちょっとでも古そうな食べ物は、必ずにおいをかいで自分で確認してから口に入れていました。
その理由は、2時間の電車通勤の間に下痢をしたら、大変なことになるからでした。
各駅停車でないので、おなかがピーヒョロヒョロと鳴り出すと、もう次の駅が来るまでなんとか我慢しなければならず、過去のそういう経験から、父は、いつもおなかをこわさないようにしていたのでした。
もう一つは、日曜日の昼寝。
私が小学校高学年ぐらいのころには、すでにそういう習慣があったと思います。
日曜日の午後3時とか、4時とかになると、必ず週刊誌を手に持って布団に入り、週刊誌を眺めているうちに、小一時間昼寝をしていたのでした。
子供の私は、「お父さんは日曜日、昼寝ばっかりして。」
と時々父に言っていましたが、家族の誰が何と言おうと、この昼寝だけはずっと守っていました。
そのせいかどうかわかりませんが、あまり父が仕事を休んだのを見たことがありません。
下請け会社さんにお食事をごちそうになった時に、食中毒になった時ぐらいでしょうか。
そのときは、下請け会社さんの社長さんが、お見舞いのフルーツを腕いっぱいに抱えて、うちに飛んでこられましたが―。
たいていのサラリーマンは、仕事に穴をあけないように、あるいは家族のために、自分なりに健康管理をしているものではないでしょうか。
いや、健康管理をしたくても、このごろは仕事最優先で、運動したり休養をとったりする時間がない労働者も多いというのが、産業医をしていて感じることです。
人それぞれ、社会の中で担っていることもライフスタイルも違うし、もっといえば持って生れた体質というものも、病気の発症と密接に関係しているので、健康的な生活をしている人がみな健康というわけにもいかず、逆に、多少不健康な生活をしていても、あまり病気にならない人もいます。
まあ、そういうさまざまな個人差を包み込むようにして、社会保障というものは成り立っているのであり、それを否定してしまったら、国民皆保険制度など成り立ちません。
ひょっとして、麻生総理大臣は、国民皆保険制度をやめて、アメリカのように個人で医療保険に入る仕組みに変えたがっているのでしょうか。
そこまで頭のまわる人でもなさそうですが。
本当に予防医学が大切と思うならば、
「義務教育の段階で、病気予防についての知識が学べるような体制作りをします。」
ぐらいのことを言ってくれれば、まだ前向きでよかったと思います。
麻生総理大臣の頭の中は、本当にからっぽなんじゃないでしょうか。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
自分が殺した、と、厚生省元事務次官やその家族の死傷事件について、ある男が出頭してきました。
まだ犯人と断定できているわけではありませんが、すでにテレビなどでは、この男が犯人であるとの前提で、いろいろなことが述べられています。
この男が出頭する以前、犯罪心理の専門家、臨床心理士、元検事、弁護士といった職業の人々が、いろんなことを言っていました。
そのどれも、ほとんどあたっていなかったと思います。
まあ、まだ結論は出ていないわけですが。
1997年だったでしょうか、神戸で起きた少年Aの事件を思い出しました。
あのとき、挑戦状ともとれる文書がみつかって、多くの専門家が「40代から50代の男性」という予想をたてていました。
近所のマンションの住民が、「黒いゴミ袋を二つもった男が周辺を歩いていた。ゴミ袋から何か汁のようなものが滴り落ちていた。」と話すのを、何度も何度も放映されていました。
逮捕されたのは男子中学生でした。
先入観というものは恐ろしいと思います。
それでも、犯罪捜査に携わる人には、犯人を特定するすべを持っていてほしいと思うのです。
日本に、ちゃんと犯人像をプロファイリングできる人がいるのだろうか。
ふと、そんなことを思いました。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
明るいイメージ。
マンガに精通していて若者受けする。
ただそんな理由だけで、自民党の派閥横断的に選ばれた総理大臣だから、ちょっとしたほころびで、もう与党内からさえ、総理大臣の足を引っ張る動きが出るのです。
だいたい、政策とか実行力とか、そういうものを期待して選んだんじゃないでしょう。
福田総理では選挙に勝てない。
公明党から福田降ろしが始まって、ブチ切れた福田氏が突然辞任を言い出して、「ぱあっと華々しく総裁選をやればいい。」などと国民をばかにして、「私はあなたとは違うんです。」と捨て台詞をはいて、辞めてきました。
おかげで政治空白が生まれました。
その後の与党の動きは、誰を自民党総裁に選べば選挙に勝てるか、それのみで麻生氏を担ぎ出したのです。
権力を維持するためには、派閥なんか関係なしに一致団結。
でも、肝心の選挙をしなかったばっかりに、麻生氏の役目は果たされることなく終わってしまったのと同じ。
苦し紛れにいろんな政策を出しては、与党内でもめて、麻生氏がえらそうに言っていた「スピード」感はまったくなし。
安倍、福田、麻生。
末路は同じなんじゃないのかな。
3人とも、有権者がお墨付きを与えたわけではありませんから。
こんなことしていたら、霞が関改革は置き去りにされて、税金の無駄遣いは一向になくなりませんよ。
どうしてくれるんですか、麻生さん。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
暗殺された瞬間に、官僚時代の功罪のうち、功の部分だけが取り上げられ、あんなにいい人だったのに殺されるなんて、という論調で報じられることに、私は違和感を覚えます。
本当に良い官僚というものは、自ら天下りをなくし、厚生労働省改革に取り組む人だと、私は思います。
昨日暗殺された、あるいは家族が傷つけられた元官僚の二人は、いわゆる「渡り鳥」で天下りを繰り返してきた人たちではなかったのでしょうか。
ナントカ機構の理事長…
事件がテレビで報道されるたびに、都会に建つ大きな一戸建ての家が写されて、妻の趣味などが報じられると、エリート官僚の豊かな生活がにじみ出てしまいます。
暴力は絶対にいけないと思います。
でも、だからといって、そのような暴力の犠牲になった瞬間に、過去から現在に至る厚生労働行政の問題に目をつむらされるのだとしたら、私は、そのことにかえって、危機感を覚えます。
一般市民なら、ストーカーの恐怖に怯えつつも、警察に守ってもらえるわけではありません。
でも、現官僚ならまだしも、元官僚までが、いっせいに警察によって身を守られるという、この迅速な対応に対して、ねたみのような感情さえもちます。
昨日から、ずっと、何か釈然としないのです。
こういうことを考える私は、心が貧しいのでしょうか。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
私が記憶しているだけでも、前の参議院選挙の時点で、すでに医師不足、救急医療対策などは問題化していました。
公明党などは、「いのちのマニフェスト」と称して、ドクターヘリの全国配備、産科・小児科医などの医師不足対策の拡充、がん対策の強化、 を掲げていたのですから。
舛添厚生労働大臣が、今頃になって東京都を批判してみたり、医師会の先生方と会ってみたり、経済産業省を引っ張り出してみたりしているのを見て、何を寝ぼけたこと言うてるんやと思います。
あの大臣は、威勢のいいことを口走る割にはその後の実行力が全然伴っておらず、こういう問題が山積している省庁の大臣には向いていません。
自分の親の介護経験だけで、大臣になったようなものですから。
東京で脳出血をおこした妊婦さんの救急受け入れが遅れたことがよほどショックだったのでしょうか。
東京で起きてしまったから、重い腰を上げたのでしょうか。
東京で問題にならなければ、問題意識は持たなかったのでしょうか。
いずれにしても、またパフォーマンスで終わってしまうでしょう。
舛添大臣以上に気になったのは、二階俊博経済産業大臣の一言です。
「まずは医者が患者を拒否するとは何事かと言いたい。」というようなことをマスコミの前でしゃべっていたことでした。
この人、時計がずいぶん逆戻りしている。
医者をさんざん批判しても、お互い疲れるだけで、身を粉にしている医師のモチベーションは下がってしまうのです。
それに、あの大臣、グリーンピアの売却にイッチョかんで、すごい損失を生んでしまった張本人ではなかったでしょうか。
政治家の中に、相変わらずそういう低レベルのことしか頭にない人がいて、そういう人が大臣をしているという事実を目の当たりにして、何か絶望さえ感じてしまいます。
固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
オバマ氏がアメリカの次期大統領に決まってから、1週間近くたちました。
海の向こうの国の興奮が伝えられるにつけ、若干うらやましさも感じてしまいます。
いずれにしても、オバマ氏選出が吉と出るのか、凶と出るのかは、まだまだこれからといったところでしょう。
それにしても…
すでに政権交代準備が始まっていて、2か月をかけて閣僚などの人選や政治の方針を決定していくそうです。
ぱっぱぱっぱと総理大臣が辞めて、1週間やそこらで大臣をきめちまう日本とは、国づくりの本気度が違いますな。
こういうところは、もっと見習うべきなんじゃないのかな。
それとも、日本は官僚様がしっかりしておるから、大臣なんていてもいなくても、安泰だと?
やっぱり日本は、いつまでたっても二流、三流の国なんでしょうかねえ。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
昨日に引き続き、田母神前航空幕僚長の話題について。
内容も見ないで批判するのも何なんで、彼の論文を読んでみました。
http://www.apa.co.jp/book_report/index.html
アパグループ主催の「第1回真の近現代史観」懸賞論文で最優秀誠志賞を受賞し、懸賞金300万円と全国アパホテルめぐりご招待券が贈呈された模様。
アパグループ…
安倍元総理大臣と親しいと報じられたことがあったような…
論文はPDFファイルになっていて、ダウンロードも可能。
A4サイズ9ページの論文でしたが、あれは論文の体裁をなしていないと思いました。
なんというか…
ただ自分の言いたいことをエッセー風にまとめていて、それを補強するために、あっちこっちから他人の書いた論文や著書を参考文献として挙げているんだけど、ものすごい適当感がただよっていて、事実もへったくれもあれへんやんか!
田母神氏の単なる愚痴でした。
その愚痴に対して、アパグループは300万円と全国アパホテルグループ巡り招待券まで贈呈する念の入れよう。
あれは内容はどうでもよくて、「航空幕僚長」の権威を利用したいだけなんやないやろか。
あほらし。
こんなあほらしい論文のために、大臣やら官僚やらが減給だのと責任取った風を装っているけど、本人には何にもペナルティないやん!
なんか、航空幕僚長をしていた人物の思想云々という以前に、日本の防衛省、大丈夫か?!
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
舛添厚労大臣が、都立墨東病院を視察するそうです。
視察して何を見るのかな。
「わたしの仕事館」を視察して、
「ここは残す必要がある。」と言った人ですから。
東京都を批判したって、病院を視察したって、もうすでに産科医が不足していることが原因だということは、自明のことではありませんか。
こういう問題が起きてもうずいぶん時間がたっていて、多くの専門家が分析してわかっているのにもかかわらず、何も対策が打てず状況が改善されないことの責任は、どこにあるのでしょうか?
固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
前回の衆議院議員総選挙が2005年9月11日。
いわゆる郵政解散でした。
その時の小泉総理大臣から後、安倍、福田、麻生の3人の総理大臣が、事実上自民党の総裁選だけで選ばれて、総理大臣の椅子に座り続けています。
小泉政権時代の政策が、今になっていろいろなひずみを生じさせており、何が良くて何が悪かったのかという総括もしないまま、なんとなく少しずつ色の違う総理大臣が居座っているというのは、どう考えても、有権者をばかにしているとしか言いようがありません。
麻生政権がどのような政策を打ち出そうとも、それを議決する議員に有権者の民意が反映されていないのだから、どれもこれも、勝手に決められている感がぬぐえないのです。
アメリカ発金融危機、確かに大変なことかもしれません。
しかし、今自民・公明の政府与党は、「これで日本の経済はよくなる」と言ってばらまいた地域振興券の二の舞を演じようとしています。
あの地域振興券ばらまき以降、日本の経済は浮上するどころか落ちていく一方でした。
既存の予算編成の上でいくら、減税だ、なんだと言ってみたところで、霞が関の無駄は全くなくなっておらず、やがてまた、「日本の借金はこんなにあるんだから、国民よ耐えよ。」と言い始めるに違いありません。
財源を示せと自民党が詰め寄った民主党の政策は、実は省庁横断的な予算編成になっていて、官僚にお金を握らせない仕組みになっているといいます。
全く新しく組み替えた予算であり、既存の「財源云々」という議論は当てはまりません。
麻生総理大臣の「解散権は自分にある」という言い草は、主権は国民にあるということを全く無視していて、不愉快です。
まさに、総理大臣の職権乱用で、麻生総理大臣に強く抗議します。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 | 31 |