いったい、日本の医療の理想像とはどういうものなのだろう、と、いろいろと考えていました。
まずはその理想像を出発点にして、現在何が足りないのかを冷静に点検していく必要があるのではないのでしょうか。
どこかで救急患者さんの受け入れが遅れて亡くなられた、ということが起こると、「救急体制の問題」が、いろいろと論じられます。でも、それもなんとなく長続きしないまま、いつの間にか話題にならなくなります。
産婦人科の先生が足りなくて、産科の廃業が相次ぐと、今度は路頭に迷う妊婦さんのことが報道されて、これは問題だ、産科医を増やせ、産科医の報酬を増やせ、こんなんだから少子化が止まらない、という意見が激しく出るのだけれど、それもまたいつの間にか話題にならなくなります。
このところは、診療報酬の問題で、勤務医の先生の年収が開業医の先生の年収よりずっと安くて、でも激務だというような議論が出て、勤務医の診療報酬を上げるべきという議論になっています(どちらかというと、開業医の収入を減らせと言うプレッシャーになっているかも)。
このことについては、
あくまで年収の比較であるのと、この数字がどういう病院や開業医の年収を拾っているのか今一つよくわからないのと、開業医の先生は経営者でもあるので、勤務医とは単純比較はできないのと… 問題点を数え上げたらきりがないのですが、事の本質は、開業医の先生の収入が高いように見えることが問題というよりは、医師の労働問題なんだろうなあと思います。
ちょっと脱線してしまいました。
現在の日本の医療は問題山積である、と漠然と語られ、そしてその時々に問題視されることが打ち上げ花火的に論じられるのだけれど、全体としてどういう方向にもっていくべきなのか、ゴールが見えない気がして、とてもむなしいし、患者さんも困るんじゃないかと思います。医師としても、やっぱり戸惑います。
一度、すべての問題を同じテーブルの上に載せて、何をどんなふうに解決していくべきかを冷静に検討していく必要があるのではないでしょうか。
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