新型インフルエンザの患者数は、ずっと前に実数把握ではなくなっていることは、どのくらいの方がご存じなのでしょうか。
厚生労働省や国立感染症研究所の発表を注意深く見ていると、「インフルエンザ流行状況」などという表現となっていて、「新型」という言葉がついていません。
つまり、今現在医療の現場では、インフルエンザの症状で受診してこられる患者さんには、簡易検査のみ行い、A型であれば、「この夏の時期にはやるA型のインフルエンザはほぼ新型であろう」という推測をしているだけなのです。
実際、国ではサンプル的に遺伝子検査はやっているようで、ほとんどは新型だということなので、推定されている数と実数の間に、それほど大きな差はないのかもしれません。
しかし、このことは、実は一般の方々にあまり知られていないんじゃないだろうかと思えることがありました。
ある会社の総務の方からの問い合わせです。
「社員の一人が高熱を出したのですが、近くの病院に電話をしたら、簡易検査のみ可能といわれたんですが、新型かどうかの検査もしてもらったほうがいいでしょうか。」
この問い合わせには、いくつか困ったことが含まれていて、
新型インフルエンザかどうかの検査(遺伝子検査)は、集団発生が疑われる場合のみ実施されているということや、
新型かどうかの検査は、医師や患者さんの希望で行うものではない(国の方針がある)、
ということが、伝わっていないということがわかりました。
治療する側からみれば、新型でも季節性でも、基本的な治療方法は同じであるので、新型かどうかを判断しなくても治療はできます。
夏の間であれば、発生しているA型のインフルエンザのほぼすべてが新型、と考えることも、大きな問題はないのかもしれません。
ただし、これから秋冬に向かっていった場合に、新型と季節性はどのように区別していくのか、方針は決めておく必要があります。
その点について、今のところ行政側からの情報提供はなにもありません。
厚生労働省は、ワクチンのことで頭がいっぱいのようです。
しかし、一方で会社などでは、社員を休ませるのか(当然休ませるわけですが)、社員の家族が発症したら社員自身は休ませるのか、あるいはマスクなどをさせて出勤させるのか、休ませる場合の給与保証はどうするのか、有給休暇で処理するにしても、じゃあ派遣社員は、パート社員は、アルバイト社員は、どうする、なんてことがとても問題になってきています。
だから、新型か季節性か、が知りたくなるのは当然で、そうすると、受診した先の医師に、「これは新型でしょうか」って確かめることになります。
夏ならいいけど、秋冬になったらどうするんでしょう…
A型なら新型と推定せざるをえないんでしょうか。
ちなみに、わが県では、ウイルスの遺伝子検査の1日あたりの処理可能数は、20にも満たないらしく、季節性と新型が混在して大流行した場合には、これはもう、症状のある患者さんで、簡易検査でA型と診断されたら、全員「新型」と扱うよりほかない、ということになってしまいそうです。
会社を臨時休業していただかなければならないかもしれず、その判断の過程で、私自身がからまなきゃいけなくなるんだろうか、と思うと、正直気が重いです。
会社はなるべく休業しない方向性を探るでしょうから…
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