「政治とカネ」と聞けば、政治家が特定の企業や団体から献金を受け取った見返りに、その企業や団体に、例えば公共事業が有利に請け負えるように利益誘導した、などということを想像するのが普通だと思います。
少なくとも私は、そう思います。
昨日のTBS系THE NEWSで行われた党首討論。
自民党から国民新党まで、6党の党首が集まっての討論でしたが、後藤謙次キャスターの司会進行のまずさと、企画のまずさとで、得るものは何もなく、イライラが残るだけの党首討論でした。
その「マズイ企画」の一つが、あらかじめクジ引きで順番を決めておいて、テレビ局側が選んだ9つぐらいのテーマについて、クジで若い番号を選んだ党首から順にテーマを選び、一人の党首を指名してテーマに沿った質問をするというもの。
クジ引きで後ろの方の順番にあたってしまったら、残りもののテーマしかなく、かなり不公平でした。
ちなみに、6番を引いたのは国民新党の綿貫代表。国民新党が1丁目1番地と位置付ける「郵政民営化」のテーマはなく、近いと思われた「小泉政治」のテーマはすでに他の党首が選んだ後でした。
それでも強引に、綿貫氏は「郵政民営化」と勝手にテーマを決めてしまい、麻生総理大臣に質問してしまうと言う顛末でした。
さて、クジ運のよかった麻生総理大臣は、1番を引き、選んだテーマは「政治とカネ」、選んだ相手は鳩山民主党代表でした。
「個人献金偽装問題は、明らかに犯罪なんだから、お宅の秘書に自首を勧めたらどうか。また、説明責任を果たせていないと言っている国民は多い。」
政治とカネの問題について、たとえば企業団体献金を廃止するのか否か、政治資金規正法を今後どうするのか、といった建設的な質問ならいざ知らず、こともあろうに、鳩山代表の個人献金問題を取り上げたのでした。
ニヤリといじわるそうな表情を浮かべて、内心ほくそ笑みながら質問しているのは、わが日本の総理大臣です。
鳩山氏の個人献金問題では、その原資は鳩山氏の個人資産から出ていることが明らかになっており、業界との癒着や利益誘導が疑われる他の「政治とカネ」問題とは、異質のものです。
異質だから、なぜわざわざそんな手の込んだことを秘書がやったのか、という意味での「説明」は聞きたいと思うが、これからますます難しくなっていく、国の運営をどうするのかということを論じるべき時に、完全な個人攻撃をやって見せて得意げになる総理大臣の姿を見て、背筋が寒くなる思いさえしました。
ちなみに、麻生総理大臣は手元にインデックスがいっぱい貼ってある「ネタ帳」のようなものを持ち込んで、何か聞かれるたびにそれをちらちらと見ていました。
勝手な想像で悪いけど、あれはきっと、官僚が、いくつもの想定質問に対する回答を入れ知恵したものと思われます。
自民党のマニフェストなど、大方官僚が作り上げたものというのは間違いなく、官僚が自分たちの作った政策の正当性を自民党の議員にレクチャーしているはずで、自民党の議員が政策についてしゃべっている内容は、その向こうで官僚がしゃべっているのと同じだと思って間違いありません。
私たちが選んだ政治家が透明性の高い政治を行えるまともな国になるのかどうか、今度の選挙は、非常に重たい意味をもつ選挙であることは間違いありません。
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