マイケル・ジャクソンさんが急死したのは、合成麻薬の副作用が原因なんじゃないか、普段から抗うつ剤を含めていろんな薬を飲み過ぎていたようだ、など、お薬がらみの情報が飛び交っております。
確かに、薬物への依存って、怖いですね。
私も以前、薬物依存と思われる症例を経験したことがあります。
関連病院での研修を終えて、大学病院に戻されたころの話です。
夜、アルバイトである病院の当直に行っていたんです。
そこは、地域の救急担当病院になることも多くて、まあ何もなくて寝ていられたということはほとんどなかったと思います。
その日も救急患者さんが多かったのですが、その中に救急車で運ばれてきた若い女性患者さんがいました。
病院に到着するなり、「おなかが痛い」とワーワー大騒ぎで、診察室のベッドに横になるなり、「痛み止めの注射、して!」と盛んに叫んでいるのです。
診察しても、触るだけで「痛い、痛い!」の大音響。
しかし、急な腹痛というのは診断を間違えると命取りになることもあるので、まずはレントゲン写真をとって、腸閉塞とか消化管穿孔など急いで処置をしなければならないものかどうかを確認しなければなりません。
それで、「レントゲン、とります。」と言ったんです。
みるみる、その若い女性の顔つきが変わりました。
「レントゲンなんかいらん、痛み止め、打って!」
レントゲン室へ連れて行こうとしても、「痛み止め」の連呼で、言うことを聞きませんでした。
彼女は「ペンタジン」という薬の名前を何度も口走りました。
「診断がつかないと、注射もできませんよ。」
と説明したら、
「アメリカでは、すぐに打ってくれたのに!」とますます、顔がゆがんできました。
「ここはアメリカやないよ。レントゲンとれへんのやったら、何もしてあげられへんよ…」
「もう、ええわ!!!」
救急車で来た患者さんでしたけど、私や看護師さん、事務の人に当たり散らしながら、自分の足で元気に帰られました。
ペタ中… やな。
ペタ中というのは、ペンタジン中毒を短くしたやつで、少なくとも私の仲間内ではそう呼んでいました。
ペンタジンというのは、麻薬ではないですが、依存性があるので使用には注意が必要です。
今は注射薬と内服薬がありますが、あの当時はまだ注射薬しかありませんでした。
彼女は、あのあとどこへ行ったんでしょうか。
他の病院へ行って、同じように人騒がせなことやったんと違うでしょうか。
本当に必要だったのは、薬物中毒の治療のほうだったに違いありません。
固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 | 31 |
コメント
コメント一覧
みけの雑記帳にお立ち寄りいただき、ありがとうございます。
経験された、ブスコパンでイレウス発生ということについて、ちゃんと診断した上でのことだと信じたいところですが… もしそうでなかったとすると、それはかなり問題ですね。
レントゲンを撮る撮らないはその時の判断によると思いますが、少なくともベッドサイドできちんと診察をし判断すべきでしょうね…
疑問がある場合は、思い切って担当医に説明を求められてもいいかもしれません。
コメントを書く