2009.06.25 12:21 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  三毛猫  | 推薦数 : 0

おしりの穴

医学部を卒業して2年目のころの話です。

私は小さな病院に勤めていました。

外科医が3人ほど、あとは内科と整形外科、小児科しかない病院でしたが、スタッフが少ない分私の出番が多く、研修2年目のぺーぺーにとっては、ずいぶん修行させていただけた、ありがたい病院でした。

 

さて、その病院の外来での話です。

外来は、入院患者さんを診るよりずっと経験が必要なので、わたしのような新米は、救急外来以外はほとんどかかわることがないのですが、時々術後の処置などで訪れる患者さんをみたり、上の先生がどうしても手が離せないときなどに、応援に入ることがありました。

 

その日は、50代ぐらいの男性で痔を診てほしいと来院された患者さんを私が診ることになりました。

看護師さんの指示で、ベッドの上で四つん這いになっておしりを私の方に向けられたのですが、おしりの穴の近くに、小さなトイレットペーパーの切れ端がくっついていたんです。

 

未熟者の私は、つい吹き出しそうになったのですが、そばについていた看護師さんが、ものすごい怖い形相で私をにらみつけて、

「先生、笑ったらアカン!」

と、無言のプレッシャーをかけてきました。

 

なんとか笑いをかみ殺し、何もなかったかのように診察をしまして、痔のお薬を処方しました。

 

たぶん、その患者さんは、おしりの診察があるので、普段よりずいぶん丁寧に、おしりをふいてこられたんでしょう。

病院とはいえ、ベッドの上で四つん這いにされた揚句、ペーペーの女医におしりをみられて、さぞかし恥ずかしかっただろうと思います。

 

あとでベテランの外来看護師長さんに、こっぴどく叱られました。

「先生、あんなとこで笑ったら、患者さんがかわいそうでしょ。患者さんは自分のおしり、見えへんのやから、何がおきているんかわからへんのやし。」

「すいません…」

 

それ以来、私は患者さんのおしりを診察しても、絶対に笑ったりしゃべったりしないようにしています。

 

 

 

 

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