新型インフルエンザがトップニュースの座を射止めてから、もうどれくらいたつのでしょうか。
日本国内での患者数が日に日に増加し、各事業所での安全衛生委員会の場で、新型インフルエンザについてのアドバイスを求められることが増えてきました。
医師として、わかることは答えたいと思うのだけれど、「インフルエンザ」という衣をまとった未知の病について―私は新型インフルエンザは未知の病に近いと最近感じています―、これまでの私の医師としての常識を根拠に、アドバイスしていいのかどうか、躊躇する場面が増えてきました。
今、判断に困っていることがいくつか…
●マスクは有効か、有効でないか。
あまり有効でないという意見があるようですが、政府や自治体の指導では「マスク、手洗い、うがい」が3点セットになっていて、マスクについては「ある程度の効果が認められている」と説明されています。
品薄になっているマスクについて、本当にマスクをつける意味がないのなら、血眼になってマスクを買う必要もないですし、どのくらいの予防効果を期待できるのかについて、もうちょっと科学的根拠を示してもらいのですが…
●今のうちにかかっておけば、免疫ができるからいい?
今のところ、かかったときの重さから言えば、季節性インフルエンザと同じくらいのようなんですが、その「軽症」をいいことに、今のうちにかかっておけば、今度ウイルスの病原性がより強くなった時に、免疫ができているので感染しないで済む、と言う従業員さんがいました。
遺伝子の変異は容易に起こるとされているA型のインフルエンザについて、今回の新型インフルエンザに対する免疫が、今後遺伝子が変異してより病原性が強くなったウイルスに対して有効なんでしょうか。
私は、そんなことはないと思っているので、安易に感染した方がよいと言ってはいけない、とアドバイスしているのですが…
でも、今政府が製造を急いでいるワクチンって、まだ遺伝子変異を起こす前の段階の、いわゆる「弱毒」の新型インフルエンザを元に作っているんですよね…
「強毒」になっちゃったら、効かない…?
●インフルエンザウイルスは、あくまでインフルエンザウイルスなのでしょうか。
インフルエンザウイルスとしての振る舞いは、どんなに遺伝子が変異しても変わらないものなのか、それともやはり、ウイルスの専門家でも、今後どのようなウイルスに豹変するのか想像もつかないほどわからないものなのか、どっちなんでしょうか。
もし、遺伝子が変異しても、インフルエンザウイルスとして変わらない性質があるのなら、それを教えてほしいなあと思います。
多少なりとも、これはやっておく必要がある、とか、ここまでは心配いらない、とかある程度対策の参考にはなるのになあ。
ああ、もちろんウイルスの専門書でも読めば書いてあるのかもしれませんが、そこまで腰を落ち着けて、基礎から学ぶ時間が…
…困っております。
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